米国時間10月12日、かつてフェイスブックという社名だったメタが、画期的な新しいAIモデル「Muse Wonder」と「Muse Wonder Full」の提供を始めた。同社を率いるのは、AIに巨額の資金を投じてきたことで知られるマーク・ザッカーバーグCEOだ。
メタが一般の消費者に向けて出しているAI製品には、AIグラス「Ray-Ban Meta」がある。もっとも、最近はあまり話を聞かない。そこに今回、有料の購読プランがついた一般向けのAIモデルが加わったことになる。では、その中身はどうなっているのか(ただし、メタの日本法人によれば、AIエージェント「Muse」の日本での提供は、現時点では未定である)。
2つの新機能、「Active Memory」と「Active Focus」
Muse Wonderの紹介資料で前面に打ち出されているのが、「Active Memory」と「Active Focus」という2つの機能である。Active Memoryは、利用者にとって大事なことを会話をまたいで覚えておき、目の前の作業に関係する細部を呼び戻す機能だ。Active Focusは、作業が難しくなっても、別のやり方を試したり、エラーから立ち直ったりしながら、目標に向かって取り組み続ける機能である。どちらも、腰を据えた「持続的な作業」をしやすくするためのものだ。AIが一度に読み込んで扱える情報の量である「コンテキストウィンドウ」が、100万トークン(トークンはAIが文章を処理するときの単位)と大きいことも、それを後押しする。
AIを使ったコンテンツの制作・配信サービスを手がけるKompozy(コンポージー)のレビュー記事は、Muse Wonderの向き不向きについて、こう書いている。「最も向いているのは、AIエージェント(人に代わって、複数の手順を自律的にこなすAI)としての推論やコーディングを、今すぐ必要としている人である。つまり、一連のやり取りのなかで文脈を保ちながら、長い時間をかけて何段階もの手順を踏む作業に使える、有能なモデルを求めている開発者だ」。
同じレビューは、Active Memoryについても「会話をまたいで関連する文脈を保持し、必要なときに呼び出す。長く続く作業にとっては、まぎれもない前進だ」と評している。
モデルの奥行きについてのこうした見立ては、うなずけるものだ。今求められているのは、それまでのやり取りや作業の途中経過を覚えておけて(ステートフル)、エージェントとして自律的に動けるシステムだからである。



