経営・戦略

2026.10.15 10:21

スキルがあっても「扱いづらい人」は危うい──コアバリューで築く「嫌なやつお断り」方針

Adobe Stock

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カルチャーに合わない人物との関わりに苦慮し、雇用主が問題に対して慎重にならざるを得ない時代を迎えている。一方で従業員の側は、人材不足の労働市場を追い風に、悪びれもせず評価されて当然だと考えているようだ。

耳が痛いかもしれないが、これが現実だ。どれほど優れたスキルを持っていようと、「扱いづらい人物」だと見なされれば、立場は危うくなる。

私自身にも苦い経験がある。かつて非常に扱いづらい社員だった私は、私を嫌っていた上司から解雇を言い渡された。後から知ったのだが、彼女は私生活でつらい時期を迎えており、私のコミュニケーションスタイルがそれに拍車をかけていたのだ。ノルマは達成していたものの、私は騒ぎを立てず、相性が悪かったのだと受け入れた。

現実として、好感度は決定的な役割を果たし、雇用主には従業員を好まない権利がある。それを理由に解雇権を行使することもあれば、利用価値がなくなるまで手元に置いておくこともある。随意雇用の法制下では、保護対象の属性に関わらない限り、雇用主には詳細な理由を説明する義務はない。私は透明性を好むが、すべての雇用主がその価値観を共有しているわけではない。

「嫌なやつはお断り」という方針を冗談めかして掲げる企業は多いが(実際、数多く存在する)、その意味を真に定義できているケースはまれだ。コアバリューの策定を通じてそれを明確に定義すれば、扱いづらい社員に頭を悩ませているときにも、より意味のある話し合いができるようになる。

本当に効果的な「嫌なやつお断り」方針の作り方

CEOや採用担当者から、自社には厳格な「嫌なやつお断り」の方針があると聞いた回数は数え切れない。私がお手伝いした企業の中には、採用ページにそのままそのフレーズを掲載しているところさえあった。

皮肉なことに、その会社の最高収益責任者(CRO)は極めて不快な人物で、怒りの矛先となった相手にひどく大声を張り上げていた。親しい友人でもあるCEOにその事実を指摘すると、彼は笑ってこう言った。「確かにね。でも、彼の仕事ぶりは抜群なんだ」。私はこう返した。「それなら社長、あなたの会社に『嫌なやつお断り』の方針なんてありませんよ」

「嫌なやつお断り」の方針が明確に定義され、測定され、選考基準として機能しない限り、それは方針というより「好感度」に対する主観的な見解にすぎない。そしてそのような方針が存在しなければ、社内に不快な人物がはびこり、経営者やCEOが育てようとしているカルチャーを濁らせることになる。有害なカルチャーには、明確で合意された方針や、さらに重要なコアバリューが欠けていることが多い。コアバリューの欠如は、経営陣がそれを重要視しておらず、社内の誰もが好き勝手に行動してよいという認識を生みがちだ。嫌なやつも含めて、である。

パフォーマンスをコアバリューに結び付ける

客観的な採用を目指すなら、コアバリューを具体的かつ測定可能なものにし、組織全体に反映させなければならない。私がよく言うように、バリューは単なる願望であってはならないのだ。BostonHCPでは7年前にこの作業を行い、これらのバリューに基づいて採用や解雇を行うことを固く誓った。育成を前提に素質重視で採用し、長期的な目標に合致する資質を持った人材を選ぶ、ハイリスクな雇用主である私にとって、これは特に重要なプロセスだ。

各コアバリューを受け入れない従業員を炙り出すには、多少の時間がかかるかもしれない。ジノ・ウィックマンは著書『Traction』の中で示している経営システムにおいて、リーダーシップチームとともに四半期ごとにハイレベルなレビューを行い、各従業員がコアバリューに適合しているかを「+」「−」「+/−」で評価することを推奨している。コアバリューをデータポイントとして活用することで、期待に応えていない従業員への対処が容易になる。コアバリューは、単にパフォーマンスの低さを追跡するだけでなく、根本的な問題を言語化するのに役立つのだ。

このような文化的な調和は、人事評価やPIP(業績改善計画)の最中に生まれるものでも、壁にコアバリューのポスターを貼ることで実現するものでもない。誰もがそれを明確に理解し、完全に実践した人が報われる仕組みを作ることを、日々の信条としなければならない。

それこそが、最高の実効性を持つ「嫌なやつお断り」の方針なのだ。

(forbes.com 原文)

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