多くの人は、生涯独身でいる人が不幸に感じているに違いないと考えがちだ。だが研究は、その前提を十分には裏づけていない。交際関係にある人は平均して人生満足度がやや高いと報告するものの、その差は大きくない。
Psychological Scienceに掲載された2024年の研究では、欧州27カ国の主に高齢の成人7万7000人超を調査した。その結果、生涯シングルの人とパートナーのいる人との幸福度の差は、年齢とともに縮小することがわかった。また、その差は一般に男性より女性のほうが小さかった。人生にどれほど満足しているかを説明するうえで、交際状況よりも性格のほうが大きな要因であることも明らかになった。
この最後の発見は、じっくり考える価値がある。シングルとして幸せでいられるかどうかは、その人がどのような人で、どのように生きているかに大きく左右されることを示しているからだ。ここでは、幸せなシングル生活に向いている3つのサインを紹介する。
サイン1:親しい関係が1つだけでなく、複数ある
多くの人は、恋愛パートナーこそが情緒的支えの主な源であるべきだという考えのもとで育つ。そうした関係はうまく機能することもあるが、1つの関係に非常に多くのものがかかることにもなる。
シングルとしてうまくやっている人は、自分の情緒的なニーズを複数の親しい関係に分散させる傾向がある。あるシングルの女性は、仕事がつらいときには昔からの友人に頼り、助言が必要なときには兄弟に電話するかもしれない。実務的な助けが必要なときには、近所の人を頼ることもあるだろう。こうした人たちの誰か1人にすべてのニーズを満たすことを期待しているわけではないため、誰か1人に負担が集中することもない。
老いを研究する研究者たちは、これを「社会的関係のコンボイ・モデル」で説明している。人は支えてくれる他者の輪に伴われながら人生を進み、その輪の構成は時間とともに変化する、という考え方である。
シングルの人にとって、強固な人間関係の輪は、他の人にとってのパートナーがもたらす安心感の多くを提供し得る。また、1つの関係を失っても支えのすべてを失うわけではないため、よりしなやかで強い支えになることもある。



