AIから経済まで、あらゆるものをめぐる不確実性が職場の人々に影響を及ぼしていることは周知の事実である。実際、米国心理学会(APA)が2026年に公表した調査「Work in America(アメリカにおける働き方)」によると、働く人々の約半数が就労中に「強い緊張やストレスを感じることが多い」と回答している。外の世界をコントロールすることはできないかもしれないが、自分の思考と、それにどう反応するかはコントロールできる。
朗報は、楽観性、とりわけ試練にさらされても揺らがない「レジリエントな楽観性」は、生まれつき備わっていなければならないものではなく、学び、継続的に実践できる一連の行動であることが研究で示されている点だ。
ポジティブ心理学の研究者で、著書『Resilient Optimism: The Science of Sustaining a Positive Mindset in Tough Times(しなやかな楽観主義:困難な時代に前向きなマインドセットを維持する科学/未邦訳)』で知られるミシェル・ギーランは、こう語る。「新しい物事の始まりや新学期、職場での新プロジェクトなど物事が順調なときに楽観的なマインドセットでいるのは、とても簡単です。けれども、最初の計画が失敗したり、困難が予想以上に長引いたり、あるいは単に疲れ果ててしまったりしたときはどうなるでしょうか。それは単なる心構えや、良いことが起こるはずだという期待ではありません。物事が複雑に絡み合い、先が見えにくくなる"中盤の困難な時期”を乗り越えるための具体的な行動であり、自分の行動には意味があるのだと信じることなのです」
筆者はギーランに、レジリエントな楽観性が仕事のパフォーマンスをどう高めるのか、それを育むために日々実践できる行動、そして楽観性が職場でどのように伝播し得るのかについて話を聞いた。
職場の楽観性はパフォーマンスを高める
コップに「半分しか入っていない」ではなく「水が半分も入っている」と見ることによって気分が上向くのは確かだが、それにとどまらず、仕事のパフォーマンス全体を向上させることにもつながる。「それはビジネスや教育、ウェルビーイングの面で測定可能なほぼすべての成果を後押しするのです」とギーランは言う。



