フランスの問題はこうだ。
(1)支出が収入を上回っている。
これはよくない。
(2)支出が収入より速いペースで増えている。
これはかなりまずい。
だが、いちばん深刻なのは次の点だ。
(3)借金の金利が、今や収入の伸び率を上回っている。
この3つ目がなぜ怖いのか。
借金が雪だるま式に膨らみかねないからだ。どういうことか。フランスの借金は、収入よりも大きい。その一部は昔に借りたもので、金利が低い。だが、新しい借金が、そしてやがては借金のすべてが、収入の伸び率を上回る今の金利で借り換えられていけば、フランスはいつまでたっても追いつけなくなるかもしれない。
貸し手が見限れば、フランス国債とユーロが売られる
差し迫った問題はここにある。貸し手が、フランスはもう追いつけないと見込めば、一斉に逃げ出すだろう。フランス国債を投げ売りし、フランスはEUの大きな一角を占めているので、ユーロも売るはずだ。この雪だるま式の膨らみ方については、私たちの分析記事"Will France Go Bankrupt?"(フランスは破綻するのか)でさらに詳しく説明している。
とはいえ、ここで1歩引いて、数字を使ってもう少し丁寧に見ていこう。
フランスの借り入れコストがイタリアやスペインより高く、10年前と逆転
フランスが10年の期間でお金を借りるときの金利(10年物国債の利回り)は、約4.8%だ。イタリアは約4.5%、スペインは約4.1%である。
この数字をもう1度見てほしい。航空機のエアバス、高級ブランドのLVMH、そしてルーブル美術館を擁する国が、今やイタリアやスペインより高い金利で借金をしているのだ。10年前なら、フランスの借り入れ金利がイタリアより高くなるほうに賭けても、負けていた。当時はフランスが0.3%、イタリアが1.5%だったからだ。
借金の規模ならイタリアや日本が上、フランスは何が問題なのか
よく挙げられる理由はフランスの借金で、たしかにその額は大きい。だが、経済の規模に対する借金の比率で見ると、イタリアのほうが大きく、日本はそれよりはるかに大きい。つまり、借金の大きさだけでは説明がつかない。
実際に何が起きているのかを理解するために、いったんフランスのことは脇に置いて、ある家計を思い浮かべてみよう。



