チームが行き詰まると、人間として最も自然な行動を取る。もっと努力しようとするのだ。会議を増やす。ホワイトボードを増やす。同じ人たちが同じ部屋で同じ問題を見つめ続ける。ディズニーで30年にわたりクリエイティビティとイノベーションを率い、現在は世界中の組織とワークショップを行っている経験から言えるのは、努力を増やすことが答えになることはほとんどないということだ。ほとんどの場合、答えは別の場所に目を向けることにある。
私はこれを「ほかにどこで?」ツールと呼んでいる。私が知る中で最もシンプルなクリエイティブ思考法の1つであり、常に驚くような成果を生み出してくれる。チームが壁にぶつかったときは、「これをどう解決するか」と問うのをやめ、「ほかのどこで、すでに誰かがこれを解決しているか」と問うのだ。それだけである。たった1つの問いだ。だが、それによって開かれる答えは並外れている。
私は以前、ディズニーでこの手法をどのように応用したかについて書いたことがある。このシリーズでは、各ステップをさらに掘り下げる。まずは、多くのチームが急いで通り過ぎてしまうステップから始めたい。
チームで「ほかにどこで?」を実践する
次回の会議で「ほかにどこで?」セッションを進めるための簡単な概要は次の通りだ。
1. 課題を明確な1文で定義する。 段落ではなく、1文である。曖昧な課題からは、曖昧なひらめきしか生まれない。
2. 3つの問いを立てる。 ほかのどこで、誰かがすでにこの課題を解決しているか。自然界のどこで、私たちが生み出そうとしている相互作用がすでに起きているか。顧客から引き出したい熱意、行動、成果は、ほかのどこで見られるか。
3. 実際に見に行く。 ヘルスケア、航空、ホスピタリティ、農業、スポーツなど、自分たちの業界とはまったく関係のない分野を担当者に割り当てる。自分たちの世界から遠ければ遠いほどよい。
4. 会議室に持ち帰る。 「この根底にある原理を、私たちの課題にどう応用できるだろうか」と問う。実行方法ではない。原理である。この違いがすべてだ。
課題を明確な1文で定義する
ほとんどのチームはこのステップを飛ばしてしまう。ブレインストーミングは前進しているように感じられる。一方で、白紙を前にして1文を書こうとすることは、そうは感じられない。だが、私がこれまで実施してきた「ほかにどこで?」セッションの成否は、すべてここで決まってきた。
まず、症状と課題を切り分ける。「売上が落ちている」は症状である。「新規顧客が、使い始めて最初の5分以内に当社の製品を理解できない」は課題である。前者はチームをあらゆる方向へ探しに行かせるが、後者は特定の場所へ向かわせる。
仮説上の例で、これをどう応用できるか考えてみよう(実際の時系列を入れ替え、細部も一部変更している)。数年前、デオドラント業界に問題があったとする。エアゾール式が標準だったが、環境に優しくなかったのだ。症状は明白だった。「エアゾールは地球に悪い」。その下にある課題を見つけるには、さらに作業が必要だった。「どうすれば私たちは、液体の薄く均一な層を、滑らかな表面全体に、一定の速度で、垂れないように塗布できるだろうか」
私はあらゆる課題にこの形式を使っている。「どうすれば私たちは……」で始めるのだ。小さなことに聞こえるが、実際には大きな効果がある。何かができない理由を並べ始める脳の一部を鎮めてくれるからだ。そして、これを習慣ではなくルールにする。文が「どうすれば私たちは」で始まっていなければ、そうなるまで書き直す。
デオドラントの文を振り返ってほしい。エアゾールには触れていない。デオドラントにすら触れていない。あるのは、主体(誰か)、場面(表面に液体を塗ること)、成果(薄く、均一で、一定、垂れない)だけである。これが全体の公式だ。それ以外のものは、この文には不要である。
多くのチームなら、代わりにこう書いていただろう。「より優れたエアゾール処方が必要だ」。これは課題ではない。すでに答えであり、しかも狭い答えだ。チームを化学者と噴射剤の領域に閉じ込め、有用な場所への扉を開かない。「より優れたオンボーディング用メールの流れが必要だ」と言うのと同じ罠である。解決策を示唆するものをすべて取り除けば、本当の課題はたいていそのすぐ下にある。
文を主体、場面、成果にそぎ落とすと、チームは自社製品とは何の関係もない場所を探しに行けるようになる。デオドラントであれば、マスカラのブラシ、ペイントローラー、あるいは現実の着想源であるボールペンが考えられる。ペンには、表面に沿って球が転がり、液体を均一に付着させるという正しい仕組みがすでにあった。ただし、脇の下に塗るために作られたものではなく、幅が10分の1の紙面に書くために作られたものだった。そこでチームがそれを広げようと決めたとしよう。それがロールオン式デオドラントである。この「ほかを見る」ステップが実際にどう機能するかについては、このシリーズの後半で取り上げる。今の時点での要点は、曖昧な文では解決策にたどり着けないということだ。
具体的であるとは、単一であることも意味する。文を声に出して読んだときに「それに加えて」と付け加えずにいられないなら、それは1つの課題ではない。トレンチコートを着て1つに見せかけた2つの課題である。分けるべきだ。今後90日で最も重要な方を解決し、もう一方は将来のセッションに取っておく。
問題のリストが長いチームは、同じ過ちを犯しがちだ。すべてをカバーする1文を書こうとする。そうしてはいけない。最優先の課題を1つ選び、その1つだけを対象に演習を行う。1回のセッションに5つの問題を持ち込めば、5つの平凡な答えが得られる。1つの問題なら、優れた答えが得られる。
そして、書くのに長い時間をかけるべきではない。20分たってもチームが言葉遣いをめぐって議論しているなら、別の問題が見つかったということだ。自分たちが実際にどの課題を解決しようとしているのかについて合意できていないのである。まずその会話をすべきだ。そうすれば、文は自然に書ける。
このプロセスが機能する理由
業界が共有する知識は、その業界が共有する盲点でもある。競争空間にいる誰もが同じレポートを読み、同じカンファレンスに参加し、同じ人材プールから採用している。
ブレークスルーとなるアイデアは、その空間の内側から生まれることはほとんどない。顔を上げ、周囲を見渡し、その場の誰も思いつかなかった問いを投げかけた誰かから生まれる。そして、その問いが投げかけられるのは、そもそも課題が会議室の外へ持ち出せるほど明確なときだけだ。曖昧な問題は旅ができない。1文の課題なら、ヘルスケア、航空、パレード、ピットクルーなど、どこへでも行くことができ、到着した瞬間にも意味を保てる。
最良の解決策は、すでにどこかに存在している。あなたがまだ訪れていない業界で、待っているだけなのだ。



