リーダーシップ

2026.10.14 07:22

停滞しているのは会社ではない、リーダーシップの「仕組み」だ

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売上は伸びている。チームは優秀だ。顧客も満足している。それなのに、成長が本来あるべき姿よりも難しく感じられる。

もし自社がこの状況に当てはまるなら、あなたが考えているのとは異なる診断結果を提示したい。建設、農業、銀行、医療、製造業など、さまざまな分野のエグゼクティブチームを20年以上コーチングしてきた筆者は、ほとんどのCEOが初めて聞いたときに驚く結論に至った。成長に関する問題の多くは、戦略や人材の問題ではない。リーダーシップの「システム(仕組み)」の問題なのだ。

損益計算書には表れない「見えない限界」

ここで重要なのは、「あなたをここまで導いてきたリーダーシップのあり方は、次のステージへと引き上げるあり方とは異なる」という点だ。

創業初期、戦略はあなた自身だった。営業チームもあなただった。他にやる人がいなかったため、あらゆる意思決定を行ってきた。直感に頼る創業者主導のモデルは機能する。そうして本物の会社を作り上げてきたはずだ。

しかし、成功をもたらしたシステムには有効期限がある。会社が成長し、人員や複雑さ、決定事項が増えるにつれ、そのモデル自体がボトルネックになる。外から見ればすべて順調に見えるため、それにはなかなか気づけない。

だが社内では通常、以下の5つの事象が同時に起きている。

1. 戦略がリーダーシップのキャパシティを上回っている。戦略の強さは、あなたが毎回自ら後押ししてゴールまで運ばなくても、チームがそれを実行できる力にかかっている。

2. 「当事者意識(アカウンタビリティ)」の格差が広がっている。会議室にいる誰もが結果に対して「責任(レスポンシビリティ)」を感じているが、明確な当事者意識を持つ者がいない。責任感があっても当事者意識が欠如していれば、取り組みは静かに消滅していく。

3. 意思決定の方向が間違っている。健全なシステムでは、現場の情報や影響を受ける人々の近くで意思決定が行われる。限界に達したシステムでは、意思決定が初期設定として上層部に吸い上げられる。あなたが真に必要なわけではなく、単に決断を下す権限を与えられている者が他にいないからだ。

4. 悪気がなくてもセクショナリズム(縦割り)が生じている。営業担当副社長は目標数字を達成している。オペレーション担当副社長も目標を達成している。しかし、両者の目標が裏で相殺し合い、その摩擦の責任を誰も負っていない。

5. 専門部門のリーダーが、全社的視点を持つリーダーに成長していない。財務のことしか考えない優秀な財務担当副社長は、全社的な利益を犠牲にしてでも、常に自部門の最適化ばかりを優先してしまう。

これら5つが重なると、CEOなしで回るシステムが構築されていないため、CEO自身が現場から一歩引くことができなくなる。

数えてみるべき3つの警戒サイン

筆者はエグゼクティブに対し、シンプルかつ誠実な自己評価を行うよう勧めている。当てはまるものの数を数えてみてほしい。

• サイン1:あなた自身が「OS(オペレーティング・システム)」になっている。あまりにも多くの意思決定、承認、問題解決の議論があなたを経由しているなら、あなたは会社を率いているのではなく、会社を動かすOSそのものになっている。こう自問してみよう。「もし自分が30日間姿を消したら、リーダーシップチームは何をすべきか正確に把握できているか。それとも業務が静かに停滞するか?」

• サイン2:優秀な幹部はいるが、「チーム」になっていない。個々に優れたリーダーが揃っていても、自動的に足並みが揃うわけではない。彼らは共に意思決定を行い、互いに成果に責任を持ち合っているだろうか。それとも、単に各自が自部門を最適化しているだけで、それを「コラボレーション」と呼んでいるのだろうか。

• サイン3:同じ問題が繰り返し発生する。四半期ごとに同じ問題が浮上するなら、それは客観的なデータだ。組織に問題を根絶するシステムがなく、再び発生するまで対処し続けているに過ぎないことを示している。「これは新しい問題か、それとも名前を変えただけの古い問題か?」と問い直す必要がある。

もうひとつ、現状を確認するテストがある。どれほど多忙なリーダーシップチームであっても、戦略的な前進をほとんど生み出せていない場合がある。過密なスケジュールや無数のアクションアイテムは、実際には前進していなくても、進展しているかのような錯覚を与える。チームが疲弊しているのに重要課題が進んでいないなら、それこそが限界に達している証拠だ。

「優秀な人材」を採用しても解決しない理由

次に考えがちなのは、「もっと優秀なCOO」や「もっと切れ者のオペレーション担当副社長」が必要だということだ。その気持ちはよくわかる。しかし、新たな幹部を雇ったからといって実行力が自動的に高まるわけではなく、新たな戦略文書を作成したからといって自動的に当事者意識が生まれるわけでもない。

壊れたシステムの中に優秀な人材を次々と採用した結果、その人材がバーンアウト(燃え尽き)を起こし、意欲を失い、18カ月以内に静かに去っていく様子を筆者は何度も目にしてきた。彼らが無能だったからではない。どれほど優れた才能を持つ個人であっても、欠陥のあるシステム以上の成果を上げることはできないからだ。このサイクルが繰り返されるたびに、勢いやチームの自信、そして雇用主としての信憑性が失われていく。

拡張性のあるリーダーシップ・システムとは

限界を突破するには、事業の土台として常に以下の5つが機能している必要がある。

1. 明確さ(Clarity):すべてのリーダーが、CEOにいちいち確認することなく、自分の言葉で同じ方向性を語ることができる。

2. 連携・調和(Alignment):幹部チームが共に意思決定を行う。議論の場では健全な討論を交わし、一度決定が下されたら全員が全面的にコミットする。

3. 当事者意識の仕組み化(Accountability):週次の幹部ミーティング、月次の進捗レビュー、四半期ごとのリセットなど、事業のリズムに組み込まれている。それぞれに明確な責任者と締め切りが設定されている。

4. 意思決定権限の分散(Decision rights):原則として、意思決定権限はCEOに向かって上に持ち上がるのではなく、現場に最も近い人々に移譲されている。

5. ひとつの「チーム」として機能する幹部陣(A leadership team that operates like a team):問題がCEOにエスカレーションされる前に、しかるべきレベルで自ら解決する。

これら5つが整えば、CEOがひとりで重圧を抱え込むことなく、会社を成長させることができる。システムを再構築したほぼすべてのCEOから、同じような言葉を聞いてきた。「自分がボトルネックでなくなったとき、自分がどれほど大きな障害になっていたかに初めて気づいた」と。

自問すべき3つの問い

自分には関係ないと結論づける前に、次の3つの質問に正直に答えてみてほしい。

1. 自分が今でもボトルネックになっている部分はどこか?

2. 自分抜きでは下せない意思決定は何か。それは本当に自分が必要なのか?

3. 誰を採用しても、我が社のリーダーシップ・システムが繰り返し引き起こしてしまう問題は何か?

あなたの会社に必要なのは、あなたのさらなる努力ではない。これ以上の会議も、採用も、戦略資料も不要だ。必要なのは、あらゆる問いに対する答えをあなたに依存することなく、次のレベルの成長を生み出すことができるリーダーシップのシステムなのだ。

これはあなたを批判しているわけではない。あなたは本物の会社を作り上げた。この限界を感じているということは、そのシステムを超えるほど会社を立派に成長させたという証拠だ。それは失敗ではなく、成功が生んだ結果なのだ。

(forbes.com 原文)

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