欧州

2026.10.15 10:45

フランスで高校生たちの大規模デモ。 分断を煽る権力者たちに若者の声はどこまで響くのか

Romain P19 - stock.adobe.com

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フランスの高校生を中心とするデモは、9月17日、パリ郊外のクレテイユにある高校の教員ストライキからすべてが始まった。
 
デモの発端となったサン・テグジュペリ高校では、数学、フランス語、文学・歴史の教員が各1名不足しており、助教も1人足りず、そのうえ看護師が病気休暇中でソーシャルワーカーも不足していたという。

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「医療福祉関連の業務が厳しい状況に直面しており、このままでは生徒数増に対応できない」。こうした教員の危機感は高校生の間にも一気に広がった。
 
高校生たちの抗議行動は、学生団体や労働組合の支援なども受けて全国規模に発展。学校封鎖を取り上げたTik Tok動画の拡散などにも後押しされたと見られる。
 
10月6日には26万人超がデモに参加。約3700のフランスの高校のうち、891校で「あらゆる理由を問わず、授業が全面的または部分的に休講になった」(地元メディア)という。さらにデモには大学生や教員、保護者も加わり、500人近い逮捕者も出た。
 
フランスではデモやストライキが日常茶飯事で、筆者は「『la grève (グレーヴ)』(ストライキを意味する)は真っ先に覚えておくべき単語」とビジネスフランス語の授業で教えられた記憶がある。

なので、日本ではめったにお目にかかることのない高校生のデモもフランスでは決して珍しいことではない。「教育を受ける権利」を求めるのは当然の行動なのだ。
 
一連の抗議行動で高校生が要求しているのは、教員不足や1クラスの生徒数の多さ、校舎の老朽化といった学習環境の改善や、一部で強い批判が出ている大学入試のオンライン・プラットフォーム「パルクールシュップ」の廃止などである。

フランスの資産運用会社「ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ」のグローバル・マーケット戦略責任者のマブルック・シェトゥアン氏は「抗議行動が示すように、高校は教育や職業訓練という本来の使命を果たすのに十分な水準にはもはや、達していない」と指摘する。

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「エアコンもなく、校舎はボロボロ」

10月6日に行われたデモの参加者が手にしたプラカードのメッセージは、高校教育などに対する若者の憤りを映し出していた。

「私たちの高校は、ただ、生き延びるためだけの場所ではない」と書かれたプラカードを持つ女性は、地元テレビ局のインタビューに、「もううんざり。私たちの高校はボロボロ。こんな環境じゃ勉強なんてできない」。エアコンがないので去年の試験は別の部屋で受けた」と答えた。
 
同じくプラカードに書かれた「社会的選別、学校はそれを望んでいない」との主張には、家庭環境や地域によって受けられる教育に不公平感があることへの不満がうかがええる。

中心部の地価高騰などのあおりを受けた移民などが多く暮らすパリ郊外の高校で、抗議行動が活発化したことと無縁ではなかろう。
 
「私たちに恐怖でなく、花を投げてください」というメッセージを掲げた女性もいた。「花を投げる」は、「褒めちぎる」「お世辞を言う」などのニュアンスを含むフランス語の慣用句だ。

彼女は「大規模で不釣り合い、かつ極めて暴力的な警察の抑圧に対する私の反抗。デモや学校封鎖を通じて意見表明することが許されないなんて、権威主義国家そのもの」ときっぱりと語り、抗議行動に介入して若者に重傷を負わせるなどした警察の対応へ怒りをあらわにする。
 

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