リーダーシップ

2026.10.28 16:00

AI依存で「批判的思考力が失われる」リスクを回避、好奇心の重要性

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AIは数秒で答えを出してくれるが、その回答に対して疑問を抱かなくなったらどうなるだろうか。2026年9月のIBMの調査によると、従業員の60%が「AIによって自身のスキルが低下している」と懸念しており、最も多く挙げられたのが批判的思考力(クリティカル・シンキング)の低下だった。一方で、最高人事責任者の57%が、批判的思考力を従業員に必要な最も重要な能力の1つとして挙げている。

AIによって情報へのアクセスが容易になり、意思決定が迅速化する一方で、従業員がテクノロジーのアウトプットを評価するために必要なスキルを養う機会は減っている可能性がある。筆者は長年にわたり、好奇心や、問いを立てることを躊躇させる要因について研究してきたが、AIと批判的思考に関する議論において、好奇心はもっと注目されるべきだと考えている。

なぜ好奇心が批判的思考に重要なのか

筆者がMBAプログラムの学科長や学部長を務めていた際、大学のコース設計に助言を与える機会があった。学生が養うべき最も重要なスキルの1つが批判的思考力だと信じていた。学生は情報を暗記して試験で好成績を収めることはできたが、筆者は彼らが学んでいることに疑問を持ち、多様な視点を考慮し、答えが明確でない状況に知識を応用することを望んでいた。こうした能力は職場での活躍に向けた準備に不可欠であり、AIが日常的な意思決定の一部となった今日では、さらに重要性を増している。

その関心が、好奇心を阻害する要因に関する研究にもつながった。2019年、筆者の研究成果は、米アシュフォード大学(現アリゾナ州立大学グローバル校)の「フォーブス・スクール・オブ・ビジネス&テクノロジー」における人事管理学修士プログラムの必修カリキュラムに採用された。当時、人事プログラムのプログラムディレクター(学科長)を務めていたケイティ・シーリー博士はこれらの阻害要因を研究することで、学生が長期的なキャリアの成功に貢献する市場価値の高いスキルを身につけられると説明した。人がアイデアを探究し、前提を問い直すことを何が妨げているのかを理解することは、批判的思考力を養ううえで特に重要である。

現在、従業員がAIに問題を分析させ、解決策を提案させることがいかに容易かを考えてみてほしい。特に、詳細な説明や根拠となる情報が添えられている場合、その提案は説得力があるように思えるかもしれない。だが好奇心のある人物なら、システムがどのような情報を考慮したのか、結論にどんな前提が影響したのか、あるいは別の説明が可能ではないかを知りたいと思うだろう。そうした問いかけが、ビジネス上の意思決定の質に大きな差をもたらすのだ。

何が従業員の批判的思考を妨げるのか

批判的思考における課題の1つは、疑問を持つ能力があっても、人々が常に情報に疑問を抱くわけではないという点だ。知識がないと思われたり、他人の判断に異議を唱えたりすることを懸念する場合もある。また、信頼できると考える情報源からの回答であるため「正確に違いない」と思い込むこともある。AIの回答は、重要な情報が欠落していたり誤っていたりする場合でも権威があるように見えるため、さらなる問題をもたらす。

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