欧州

2026.10.13 08:30

プーチンの「核の恫喝」激化、NATO諸国への電撃侵攻の前兆か 専門家は偽旗作戦を警戒

ロシア・モスクワで2026年10月1日に開催された「バルダイ討論クラブ年次総会(バルダイ会議)」で演説するウラジーミル・プーチン大統領(Contributor/Getty Images)

ロシア・モスクワで2026年10月1日に開催された「バルダイ討論クラブ年次総会(バルダイ会議)」で演説するウラジーミル・プーチン大統領(Contributor/Getty Images)

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、自国の保有する超強力な核兵器を欧州の民主主義国家に対して使用する用意があると発言し、脅威を一段とエスカレートさせている。クレムリン(ロシア大統領府)の指導部や情報戦、ロシアの軍事事情に詳しい専門家は、ロシア軍が北大西洋条約機構(NATO)加盟国に武力攻撃を仕掛ける前触れのおそれがあると指摘する。

プーチンは今月1日に開かれた「バルダイ討論クラブ年次総会(バルダイ会議)」で、ロシアの侵攻に抵抗するウクライナを支援している欧州諸国を標的として核ミサイルを発射する可能性について、これまでで最も直接的な警告を発した。ロシア大統領府の公式ウェブサイトに掲載された文字起こしには挑発的な文言が並ぶ。

かつてのロシア帝国やソビエト連邦の再興を悲願とするプーチンが、攻撃的な言葉で改めて核の脅威を示唆したのは、旧ソ連の崩壊に伴って独立と自由を取り戻した国々のいずれかに電撃侵攻を開始する前兆の可能性がある──英キングス・カレッジ・ロンドンの研究者エレナ・グロスフェルドは筆者とのインタビューでこう語った。

名門キングス・カレッジのインテリジェンス研究センター(KCSI)に所属するグロスフェルドによれば、西側諸国に対して終末兵器の使用も辞さないとするプーチンの警告は、クレムリンやロシア議会が核の威嚇を強めている中で、脅威に拍車をかけた。ロシアではこのところ「非常に多くのプロパガンダ活動家やロシア下院議員らが、核攻撃の脅しを露骨に口にしている」という。

プーチンの最側近の1人で、共にソ連国家保安委員会(KGB)に所属していた頃からの盟友であるニコライ・パトルシェフ大統領補佐官は9月、ポーランド外相に対し、ロシアはほぼ一夜にしてポーランドを壊滅させられると警告した。

発端はウクライナ首都キーウで開催された安全保障会議でポーランドのラドスワフ・シコルスキ副首相兼外相が、NATOはロシアを容易に打ち負かせると発言したことだ。パトルシェフはロシア政府のプロパガンダ機関である国営タス通信を通じて「ポーランドがロシアに対して軍事的優位にあると主張するシコルスキは、ロシアと戦争になった場合、2~3日でポーランドは消滅してしまうという事実を認識できていない」と述べた。

グロスフェルドは「セルゲイ・ラブロフ外相も、NATOを脅迫する発言を繰り返している」と述べ、パトルシェフも「この大合唱に参加した」との見方を示す。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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