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AI

2026.10.12 07:56

AI活用の成否を分ける、見落とされがちな「人間」という要素

Adobe Stock

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ベンダーの売り文句を十分に聞けば、適切な人工知能(AI)を業務に組み込むだけで、一夜にして奇跡が起きると思っても無理はない。しかし、AIの圧倒的な可能性を示しているように見えるあらゆる測定値や指標は、重要なポイント、そして大きな障壁となり得るものを見落とし続けている。人間がAIを受け入れ、それをワークフローに組み込むことだ。

ある調査はこの要因に「AI-whelmed workers(AIに圧倒される労働者)」という、おそらくふさわしい呼称を与えている。AIが大きな恩恵をもたらすはずだと理解している一方で、それをどう実現すればよいかの指針を与えられていない人々だ。Resume Nowが米国で雇用されている労働者1000人を対象に実施した調査によると、42%はAIを自分のワークフローに組み込むことに自信がない。少なくとも44%は、AIスキルを身につける際にどこから始めればよいかの明確な道筋がないと答え、60%は、職場でAIの利用が求められていない、または明確な期待値が定められないまま話題に上っていると答えている。

より厳密な学術分析は、AI推進派が見落としている要因をさらに深く掘り下げている。7月にシンガポールで開催されたCIVIC-AI 2026ワークショップの議論と知見をまとめた論文は、AIに関する研究の多くが、自動化能力とAI導入パターンを測定してきたと指摘する。

実際、企業・学術の双方で数多くの調査があり、企業の何%がAIを導入した、何%が価値を見いだせていない、といった結果を示している。「こうした指標は、仕事の性質を変えるうえで人間とエージェントの協働がもたらす、より大きな影響を無視している」と同論文の著者らは述べる。必要なのは、AIがどのようにワークフローを拡張しているのかについて、より包括的な全体像を描くことだ。すなわち「タスク配分、意思決定権、見えにくい検証作業、復旧負担、人間の能力が、時間の経過とともにどう相互に変化していくか」である。

「AIは単に仕事を蒸発させるわけではない」と、The Field CTO創業者でIBMの元チーフストラテジストであるAndy Thurai(アンディ・トゥライ)は、同論文についてコメントした。「摩擦は下流に移動し、複雑な例外処理や終わりのないレビューサイクルに姿を変える。この論文が単一のタスクではなくワークフロー全体を追跡すべきだと主張しているからこそ、ボトルネックがどこに移ったのかを実際に見つけられるのだ」

AIは、あるプロセスを速めているだけで、その一方で別の誰かの仕事を増やしている可能性がある。「AIシステムは初期成果物の作成に要する時間を短縮するかもしれないが、検証、例外処理、復旧に必要な労力を増やす可能性がある」と同論文は主張する。

著者らは「こうした検証コストは、再設計されたワークフローの価値を算定する際に含めなければならない」と断言する。「ワークフローの構造的な変化は、労働者のスキルが衰える場合など、人間の能力を損なうこともある。人間がAIの出力をもはや確実に監督できなくなれば、人間とAIの協働の完全性は低下する」

同論文は「AIがどれだけ自動化できるかという問いを一気に飛び越え、再設計された仕事が5年後にもなお持ちこたえているかを問うている」とトゥライは述べた。「ほとんどの企業のAIスコアカードは、まだその問いに答えられない」

導入率や生産性調査は活動量を測定できるかもしれないが、「人々はここで、価値を示すかなり粗雑な代理指標に頼っている。主に使われたトークン数だ」とトゥライは続けた。「チームが文書作成で10時間を節約し、AIが生成したものの確認と修正に8時間を費やしたとしても、ダッシュボード上は成功と記録される。だが事業としてはほとんど実感がない。この論文はそれを『持続的な正味価値』と呼んでおり、すべてのCFOがそれを求めるべきだ」

トゥライは同論文を「筋の通ったチェックリスト」と評価する一方で、AI対応ワークフローの有効性を検証するだけでは、AI導入を成功に導くための本質的な要素をまだ見落としている可能性があると見る。「この論文は、企業のワークフローが中央で設計され、トップダウンで整然と展開されることを前提としている」と彼は述べた。「しかし実際には、そうは進んでいない。AIツールはボトムアップで広がっており、開発者、営業チーム、マーケターが、自律型エージェントを日々の業務に組み込み、摩擦を迂回している。しかも、それは中央集権的な設計プロセスの外側で起きている。ネットワークの末端で有機的に変化しているワークフローを統制するのは、容易ではない」

AIによる生産性の数値を報告する前に、管理職は「検証と修正にどれだけコストがかかったかを報告する必要がある」とトゥライは促した。「そして、ある職務を自動化するたびに、10年後に誰がそのシステムを監督する資格を持つのかを問うべきだ。それに答えられないなら、自らを置き換えるはずだった労働力を担保に借り入れをしているだけである」

(forbes.com 原文)

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