9月15日、スーザン・ハウジンストークは、テクノロジー業界が異例の局面を迎えている誰もが認める時期に、非営利団体「Girls Who Code」のCEOに就任した。
私たちが直面している現実は、AIの進化スピードが大半の教育現場の対応能力を超えているということだ。エントリーレベル(新卒・未経験層)の仕事は、まさにリアルタイムで再定義されつつある。学校で懸命に学び、高等教育へ進み、そこから安定した専門職のキャリアに就くという従来の道筋は、以前よりも確実性を失っているように見える。しかし、変わっていないことが1つある。この分野のリーダー職に占める女性の数だ。人工知能の未来を方向づける企業や投資家は、依然として圧倒的に男性が多数を占めている。Forbesが報じたLinkedInのデータによると、米国のAI関連採用に占める女性の割合は26%、世界のAIリーダー職ではわずか13%にとどまる。
しかし、Girls Who Codeの新CEOであるハウジンストークにとって、これはテクノロジー教育から後退する理由ではなく、むしろそれを再定義すべき極めて重要な瞬間なのだ。
AI:単なる「利用者」から「形成者」へ
「AIは、生涯学習やスキル構築への移行を加速させています」とハウジンストークは今週、Zoomを通じた取材で筆者に語った。「私たちの活動の価値は、少女たちがソフトウェアエンジニアとして労働市場に参入することだけに存在するわけではありません。コーディングを通じて得られるスキルこそが重要なのです。問題解決力や批判的思考力(クリティカルシンキング)といったスキルは、あらゆる場面で役に立ちます」
ハウジンストークのメッセージは明確だ。次世代のナレッジワーカーには、ChatGPTをはじめとする最先端モデルへの基本的なアクセス権以上のものが必要である。彼女は、そうした層に必要なのは「それらのモデルに疑問を投げかけ、その限界やニュアンスを認識し、いつどのように使うべきかを判断できる自信だ」と主張する。
2012年にレシュマ・サウジャニがGirls Who Codeを設立して以来、多くの変化があった。しかし、「テクノロジー界におけるジェンダーギャップを解消する」という組織のミッションは変わっていない。ハウジンストークは、サウジャニ、そして前任のタリッカ・バレットに続く同団体の3代目CEOとして就任する。教育テクノロジーや人材開発の分野で培った彼女の経歴は、評価基準自体がシフトしつつある現在において重要な意味を持つ。彼女は次のように述べる。「もはや単に何人の少女がコンピュータサイエンスの授業を受けたり、ソフトウェアエンジニアになったりするかという問題ではありません。少女たちが自分自身を、社会を再編しつつあるテクノロジーシステムに主体的に参加し、影響を与えることができる存在として捉えられるかどうかが問われているのです」
ハウジンストークが指摘するこの新たな格差は、今週ワシントンで鮮明にあらわれた。トランプ大統領とマイク・ジョンソン下院議長がホワイトハウスに産業界のリーダーや政府高官を招いて開催したAIに関する会合には、官民から31人の出席が確認された。ニュースメディア『The 19th』の報道によると、この集まりの中で女性の出席者はわずか2人だった。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のCEOであるリサ・スーと、ホワイトハウス首席補佐官のスージー・ワイルズの2人だけである。
「AIリテラシー」だけでは不十分
このような場が、1つの招待者リストではなく数十年をかけて形成されるものであることはわかっている。それでもハウジンストークにとって、この業界が直面するより大きな課題は、そもそも少女たちがAIに何を期待するよう教えられているのかを変えることから始まる。「AIリテラシーに関して、今すぐできることはある」と彼女は言う。「現代のコンピュータサイエンスとテクノロジーのカリキュラムはどうあるべきかという、より大きな問いについて考え抜く必要がある」
この区別は極めて重要だ。学生は、AIを批判的に検討する方法を理解しないまま、AIの使い方を学ぶことができる。回答を得るためにプロンプトを入力する能力は、システムのバイアスを見抜く力、ハルシネーション(AIによるもっともらしい誤情報)を認識する力、データの限界を知る力、さらに重要なこととして、自分たちが依存するシステムの背後にある事業上のインセンティブを理解する力を、自動的にもたらすものではない。
Girls Who Codeの最新の調査成果は、「AI主体性(AI agency)」と同団体が呼ぶ概念を指し示している。新たに公開された報告書『Agency in the Age of AI(AI時代における主体性)』の中で、同団体は2300人以上の若者を対象に、AIに関する価値観、懸念、および主導権の感覚について調査を行った。
その結果、主体性を持っていると感じている少女は、男子よりも高い頻度でAIを利用する傾向があり、その可能性を認識しつつ欠点を評価する割合も高いことが判明した。「そうした自信を身につけさせれば、彼女たちは受動的な利用者に終わらず、能動的で批判的な視点を持つユーザーになります」と彼女は述べた。
社会のあらゆる物事と同様に、この問題にもバランスの取れたアプローチが必要だと彼女は主張する。恐れるだけでも、盲信することでも不十分だ。学生は文脈を理解した上でテクノロジーを利用する必要があり、出力結果を無批判に真実として受け入れることも、恐れからテクノロジーを遠ざけることも避けるべきなのだ。
中学校という分岐点
ハウジンストークは、中学校の時期を非常に重要な段階だと位置づけている。多くの少女たちがSTEM分野(科学・技術・工学・数学)への自信を失い始め、「テクノロジーは自分たちのものではない」という社会的シグナルを感じ取るようになる時期だからだ。
これが重要なのは、テクノロジー業界の歴史からも明らかなように、AI業界におけるダイバーシティ(多様性)の問題がシリコンバレーの役員会で始まるわけではないからだ。問題はそれよりもはるか前、教室、友人グループ、放課後プログラム、そして「誰が未来を構築し、資金を提供し、リードする存在なのか」に関して若者たちが受け取る微妙なメッセージから始まるのである。
多くの若者がすでに、冷めた見方や不信感を持ってAIに接しているとハウジンストークは指摘する。その直感は理解できる。学生たちは、誤情報や雇用の奪取、監視、そして不透明感を増すテクノロジーインフラに対する警告に囲まれて育っているからだ。
しかし、懐疑的な視点は、それに適応・対応する能力と組み合わさった時に最も大きな力を発揮する。
「高い主体性を持つ少女たちは、より批判的思考のレンズを通してAIを利用しています」とハウジンストークは話す。「それこそが、少女たちを適切なプログラムや望ましいキャリアへと導き、受動的な受け手に甘んじるのではなく、意思決定の場に着くための道筋となるのです」
AIの包摂性を試す試練
誰が意思決定の場に着くのかという問いは、無視しにくくなっている。
AI経済は、主要プラットフォームの開発クレジット、投資家ネットワーク、フェローシップ制度、代替的な教育プログラム、起業家エコシステムへの直行ルートなど、新しい形の機会を生み出している。しかし、そうした優位性も、歴史的にベンチャーキャピタルやエンジニアリングのリーダー層を独占してきた同一の限定的な属性に制限されてしまえば、従来のテクノロジー業界における階層構造を再生産することにしかならない。
ハウジンストークによれば、Girls Who Codeは、生徒たちがツールにアクセスできるよう、最先端のAI研究所と提携の可能性についての協議を始めているという。現時点で発表できる公式なパートナーシップはないものの、彼女はそうした関係性が団体の将来にとって不可欠だと考えている。
「これらは若者たちが実際に使っているツールです」と彼女は語る。「適切な解決策を提供するために、どのような連携を築くべきかを考えていかなければなりません」
来年の優先事項について尋ねると、彼女の答えは明確だった。焦点を当てるのは「規模(スケール)、関連性、そして継続性」である。団体の影響範囲を拡大すること。テクノロジーの変化に合わせてプログラムの関連性を維持すること。そして、Girls Who Codeを影響力のある組織へと押し上げたミッションを守り抜くことだ。
「置かれた環境は変わりましたが、ミッションは変わっていません」とハウジンストークは語る。「その重要性はかつてないほど高まっています」



