ベン・アフレックが監督、共同脚本、主演を務めた映画『アニマルズ』は、米国時間2026年10月9日にネットフリックスで配信を開始した。新作映画の宣伝活動は、アフレック自身がAIの機械学習を詳しく解説する場にもなった。
アフレックは2026年9月28日から始まる週に開かれたイベント「Bloomberg Screentime」で、AI企業の創業経緯をブルームバーグの記者ルーカス・ショウに語った。映画『アルゴ』の監督からは予想しにくい「Pythonを学んだ」という言葉も飛び出した。さらに、公開されている動画生成AIモデルを追加学習させる方法も説明した。AIが映像を生成する際に使う内部の数値「重み」を再び変更できる状態にし、それまでの学習結果を引き継いで学習を続けるという方法だ。
GQのインタビューでは、16人規模の映画制作向けAI企業InterPositive(インターポジティブ)の開発についても語った。同社は独自に撮影した映像を学習に使い、AIによる加工内容や作品の仕上がりを制作者自身が決められるようにツールを設計した。売り込み先は、2023年の脚本家と俳優によるストライキでAI利用が主要な争点となった米映画業界だ。ベン・アフレックは現在、映画業界においてAIについて耳を傾けられるべき人物になった。AIを恐れる人々に技術を売り込む企業にとって、その説明方法には学ぶべき点がある。
ネットフリックスが約927億円で買収したAI企業の事業内容
アフレックは2022年にInterPositiveを創業し、事業内容を公表せずに開発を進めてきた。ネットフリックスは2026年3月5日に買収を発表し、開発チーム全員を受け入れた。アフレックは買収後、ネットフリックスの上級顧問に就任した。
ネットフリックスは、米証券取引委員会に提出した2026年4~6月期の四半期報告書で、同年3月に実施した買収の対価を現金約5億8700万ドル(約927億4600万円)と開示した。米エンターテインメント業界誌『バラエティ(Variety)』は、この金額をInterPositiveの買収額と報じた。LinkedInニュースは買収対象を「AI映画スタジオ」と紹介したが、実際の製品は映画を丸ごと生成するものではない。
文章から映画を生成せず、撮影済み映像の照明や色を調整する
InterPositiveは、文章で指示するだけで映画全体を生成する技術ではない。撮影現場で日々記録される映像を基に、作品ごとの専用AIモデルを構築する。映画制作者は撮影終了後の編集・加工工程でモデルを使い、照明の当たり方の修正、色調整、視覚効果の追加などを行う。
アフレックはネットフリックスの発表動画で「文章による指示や、何もないところから何かを生成する話ではない。自分たちの素材からモデルを作る」と説明した。ネットフリックスは提携する映画制作者にツールを提供するが、外部への商用販売は予定していない。最高コンテンツ責任者のベラ・バジャリアは、制作者が映像表現を選び、制作上の決定を下し、作品の構想を守れるようにする技術だと説明した。



