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ビジネス

2026.10.11 08:12

AIの次なる主戦場は「ゴールライン」

stock.adobe.com

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生成AIは、知能を生み出すコストを引き下げた。一方で、エージェント型AIは実行の経済性、そして企業全体で業務を開始する能力を広げている。Gartnerの予測によれば、エンタープライズアプリケーションのうちタスク特化型AIエージェントを搭載するものの割合は、2025年の5%未満から2026年末までに40%に達する見通しだ。McKinseyも同様に、年間売上高10億ドル(約1580億円)超の企業の回答者のうち40%がAIエージェントの拡大導入を進めていると報告しており、前年の27%から上昇している。

しかし、投資会社でAIやエンタープライズテクノロジー企業を評価してきた経験から、私はより重大な違いがあると考えている。アクションを起こす能力はAIスタックの標準機能になりつつあり、より難解な投資上の問いはこうだ。そのアクションが拘束力のある事業成果となる瞬間を支配するのは誰か。

AI対応の企業ワークフローにおいて最も持続性のある地位を得るのは、必ずしも最善の推奨を生成する企業や、最も多くの行動を開始する企業ではない。行動が、他のシステムや取引相手に認められる正式な事業状態へと変わる地点、すなわち「ゴールライン」を握る企業である可能性がある。

価値の進展:提案、実行、確定

AI対応ワークフローには、3つの明確な段階がある。

1. 提案(Suggestion):何が起こるべきかを決定する。

2. 実行(Execution):アクションを開始または遂行する。

3. 確定(Settlement):下流のシステム、取引相手、規制当局が新たな現実として認める、確定した状態を確立する。

AIはフライトを推奨し、エージェントは予約手続きを開始できるが、本当に重要な出来事は航空会社が予約を確定し記録することだ。AIは契約交渉を行えるが、事業上の成果が発生するのは、合意が締結され、法的に有効となったときだけである。

創業者や投資家にとって、リトマス試験紙は明快だ。製品が「完了」と表示した後、顧客はなお、その成果を現実のものにするために別のシステムを必要とするのか。答えがイエスなら、その製品が握っているのは実行であって、確定ではない。実行段階を担えるエージェントやアプリケーションが増えるほど、最終的な状態変化に対する権限は希少性を増し、価値を高める。

インターフェースと権限の分離

歴史的に、エンタープライズソフトウェア企業はユーザーインターフェースと基盤となるワークフロー、すなわち入口とゴールラインの両方を支配してきた。ユーザーはインターフェースから入り、そこで作業を行い、その結果として生じる記録を保持するために同じシステムに依存していた。

エージェント型AIはこの整合性を崩しつつある。Gartnerの推計では、現在から2030年までに最大2340億ドル(約37兆円)のエンタープライズアプリケーションソフトウェア支出が「エージェント型アービトラージ」にさらされる可能性があり、これは2030年までのエンタープライズアプリケーションSaaS支出のおよそ20%に相当する。Gartnerのマネージングバイスプレジデントであるジョージ・ブロックルハーストが指摘するように、「エージェント型システムは成果を直接提供し、従来のUX重視のアプリケーションを迂回して、ソフトウェアを不可視化する」。

ソフトウェアは、経済的には重要な意味を持ち続けながら、ユーザーの目には見えにくくなり得る。AIエージェントがユーザーに代わってソフトウェアを操作するようになると、画面を握ることと経済的成果を握ることは切り離される。コマースは、その分離を可視化している。2026年6月、VisaとOpenAIは、Visaの決済機能をOpenAIの体験に統合し、AIが開始する決済を支援する提携を発表した。この提携は、AIが発見と意図を形成する一方で、決済インフラが背後で認証と不正検知の管理を担う仕組みを示している。

別のシステムに「何をすべきか」を命じる能力と、企業に対して「何が行われたか」を示す状態を所有することは、根本的に異なる。AIは取引そのものを握ることなく、会話の主導権を握るケースを増やすことができる。

価値確定の経済学

ゴールラインを制することが、経済性を一変させる。単にアクションを推奨するだけの製品は、一般に知能やアクセス権の対価として収益化する。一方で、資金が動き、在庫が引き当てられ、請求が裁定されるプラットフォームは、自らが可能にする経済活動に収益を直接結びつけることができる。

ワークフローを完結させるシステムは、上流の製品では得られない運用データを蓄積することもできる。取引が成功したか、実際にどの程度の価値が移転したか、その後に何が続いたかを把握できるのだ。こうしたデータが独自性を持ち、複製が難しい場合、後続の実行力と経済的優位性を強固なものにする。

2026年5月、ServiceNowはAction Fabricを外部エージェントに開放し、外部エージェントがタスクを開始できるようにする一方で、その下にある統制されたワークフローをServiceNowが保持する形をとった。このモデルは、ワークフロー、承認、カタログ全体にエージェントによる実行を広げるものだ。

制御点をめぐる競争

ゴールラインの支配権をめぐる争いは、なお決着がついていない。既存の記録システムはその地位を失う可能性があり、AIネイティブ企業もまだそれを勝ち取らなければならない。

基盤モデルの提供企業は、取引の経済性に向けて下流へ拡大できる。既存企業は、正式な終点としての地位を維持しながら、自社システムを外部エージェントに開放できる。AIネイティブの業界特化型アプリケーションは、電子メール、スプレッドシート、レガシーアプリケーションにいまだ分断されているワークフローの中に、新たな記録システムを構築できる。

次世代のAIにおける防御力は、最良の予測モデルを持つことではなく、ある受容済みの事業状態から次の状態へ移行する局面を握ることに左右される可能性がある。

創業者のための診断

創業者やプロダクトリーダーにとって、この視点は従来の製品評価基準を再構築するものだ。AIがワークフローの何%を自動化できるかを定量化することは、エンジニアリングの観点からは有益な作業だが、もはや十分な事業仮説の根拠にはならない。より重要な問いは以下の通りだ。製品は具体的にどのような状態を正式なものとするのか。製品が「完了」と表示した後、他でまだ何が起こる必要があるのか。どのようなデータ、権限、連携、あるいは組織的な承認によって、その終点の代替を困難にしているのか。

勝者となるのは、出力を事実として他のシステムに受け入れさせる取引上の権限、状態モデル、組織的な承認をすでに確保している企業であり、その周辺のステップをまだ最適化しているだけの企業ではない。

AIが知能を安価にし、実行をより移植可能なものにするにつれて、エンタープライズソフトウェアにおける最も持続性があり差別化された地位は、事業の他の部分が新たな正式状態を受け入れざるを得なくなる、その正確な地点を支配する者のものになる可能性がある。

(forbes.com 原文)

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