取締役会は自己資本比率や流動性バッファー、コンプライアンス体制を巡って何時間も議論を交わしながら、レピュテーション(評判)についてはまるで別の建物に属するかのように広報チームに任せきりにする。筆者は監査委員会やリスク管理委員会に何度も出席してきたが、典型的なパターンがある。貸借対照表(バランスシート)は小数点以下までモデル化される一方で、企業の価値の大半を実際に説明する資産は、四半期ごとのセンチメント分析のスライド1枚と一言の冷ややかな反応で処理されてしまうのだ。
構造変化の背景にある数値
このような関心の配分は、もはや価値の構成割合と一致していない。オーシャン・トモ(Ocean Tomo)が長年実施している「無形資産市場価値調査」によると、レピュテーションが分類される無形資産は、1975年にはわずか17%だったのに対し、現在ではS&P 500企業の時価総額の約92%を占めている。これは緩やかな変化ではない。工場や在庫、設備といった有形資産から、信頼やブランドエクイティ、そして企業が取引先の想定通りに行動するという期待へと、企業価値の構成要素がほぼ完全に逆転したことを意味する。この変化の過程のどこかで、大半のガバナンス構造は、本来保護すべき対象の変化に追いつかなくなった。
測定のギャップ
厄介なのは、レピュテーションがより大きな資産になったこと自体ではない。その価値やリスクの露出度を厳密に説明できる組織がいかに少ないかということだ。ウィリス・タワーズ・ワトソン(WTW)による2025年のグローバル調査によると、レピュテーションの毀損による財務的影響を定量化するための十分なモデル化能力を備えている企業は、わずか11%にすぎず、さらに64%が自社の能力を「中程度」としか評価していない。平たく言えば、企業価値の大半を占める資産が、多くの組織において、貸借対照表上の他のすべての項目に適用される管理規範から最も見放された存在になっているということだ。自己資本比率はストレステストを受け、流動性は複数のシナリオに基づいてモデル化される。一方でレピュテーションに与えられるのは、メディアでの言及数を集計したダッシュボードにすぎない。
これはマーケティング上の課題の皮をかぶったガバナンスの不全であると筆者は考える。レピュテーションを金融資産ではなく広報の成果物として扱うことは、他のあらゆる重要な資産が享受している仕組み——先行指標やリスクエスカレーションの基準、そして広報部署ではなくリスク管理委員会内における明確な責任者の配置——を永久に与えないことを意味する。
クレディ・スイスが最初に失ったものの真実
このギャップを放置した場合の結末を最も明確に示しているのが、クレディ・スイスの危機である。2023年3月にUBSへの救済買収が行われる数日前まで、同行は規制当局が基準を満たしていると認める自己資本比率と流動性比率を報告していた。最初に崩壊したのは貸借対照表ではなく、信用だった。取引先や預金者、アナリストが同行の健全な行動への確信を失うと、いかなる自己資本バッファーも想定していないスピードで資金流出が加速した。書類上は適切に見えた規制指標は、わずか数日で意味をなさなくなった。この教訓は、クレディ・スイスに資本が不足していたということではない。レピュテーションは有形資産のバッファーよりも速く枯渇するバッファーとして機能し、それがゼロになれば、すでに流動性が失われているため有形資産の強みなど何の意味もなさなくなるということだ。
この事象の順序こそ、深く熟考すべき点である。レピュテーションは資本と同様に、一貫した行動、情報開示、そして実行を何年も重ねることで静かに蓄積されていく。しかし、取り付け騒ぎのように四半期単位ではなく数日単位で取り崩される可能性もある。しかも資本とは異なり、回復不能になる前にその減少を検知できるよう調整された早期警戒システムを備えている組織はほとんど存在しない。株価の変動は数分でアラートが出る。だが、取引先が企業への信頼を静かに再評価して引き下げている変化は、解約要求や与信枠の撤回、ビジネスパートナーの急激な警戒姿勢となって表れるまで、検知されることはほとんどない。
誰の所有物でもない資産の統治
ファミリーオフィス、機関投資家、複雑な資産を監督する取締役会にとって、実務上の示唆は、実行の難易度は別として極めて明快である。レピュテーションには、他の重要な資産と同じガバナンス構造が必要だ。すなわち、リスク管理委員会レベルでの明確な責任者の配置、単なるメディアセンチメントではなく取引先や預金者の行動に連動した定量的な指標、そして信頼の毀損を事後に処理すべき広報課題ではなく、初期のリスクシグナルとして捉える明確な権限である。このような運用をすでに行っている組織こそが、特定のセクターに対する信用が一斉に収縮した際にも生き残り続ける傾向がある。
資本は、平時における組織の価値を教えてくれる。レピュテーションは、誰もが最善のシナリオを前提にしなくなった日に、その組織にどれほどの価値が残っているかを教えてくれるのだ。



