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リーダーシップ

2026.10.10 15:48

自分のビジネスを続けながら企業に就職する――ミレニアル世代クリエイターの新戦略

stock.adobe.com

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この10年間、クリエイターのキャリアパスは一方通行だった。仕事を辞め、オーディエンスを増やし、二度と会社員には戻らないというものだ。しかし、このルールを破りながらも、自身のビジネスを台無しにすることなく進むミレニアル世代のクリエイターが増えている。彼らは企業で役職に就きつつ、自身のビジネスを継続し、会社から得る給与を「授業料」のように捉えているのだ。

これを「隣接する(アジャセント)シフト」と呼ぼう。クリエイターは企業へと横スライドし、支払う側の視点からビジネスを観察し、そこで得た知見を自身の活動へと持ち帰る。

アリソン・マシス・ジョーンズはその好例だ。アトランタを拠点とする彼女は、夫が海外でプロバスケットボール選手としてプレーする間、イタリア、日本、フランス、イスラエルのアパートから発信してオーディエンスを築き、現在ではTikTok、Instagram、YouTubeを合わせて約15万8000人のフォロワーを抱えている。2026年4月に自身のコンテンツ会社Moments to Media Content Co.を立ち上げて以降、15件を超えるクライアント案件を獲得したという。そして8月、彼女は初めて企業に就職した。インフルエンサーとして最初に仕事をした企業、Orderly Wellness/LumiVitaでブランドコンテンツマネージャーに就いたのである。

従来型の仕事を1年以上探した末に、「最終的に私のもとへやってきた役職は、クリエイターとしてすでに行っていた仕事から直接生まれたものだった」と彼女は語る。

彼女の履歴書は、期待される順序をたどっていない。マイアミ大学で広報と心理学を二重専攻し、結婚・家族療法の修士号を取得。約1年間セラピストとして働いた後、コンテンツ制作が中心になった。彼女は創作活動のために企業を辞めたのではなく、むしろ企業へと方向転換したのだ。そして、先に築いた事業を閉じるつもりはない。

「誰もが企業から起業へ、あるいは起業から再び企業へと、きれいに移行しているわけではない」と彼女は言う。「私たちは、そうした経験が重なり合い、互いに高め合うようなキャリアを築いているのだ」

ブランドはコンテンツを社内に取り込んだ

この動きは経済的にも理にかなっている。ブランドは何年も前からクリエイティブ業務の内製化を進めてきたからだ。2023年には全米広告主協会(ANA)の会員企業の82%が社内(インハウス)エージェンシーを擁しており、2008年の42%から大幅に増加している。同じ期間に、クリエイターエコノミーは主要な予算項目となった。インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー(IAB)によると、米国のクリエイター向け広告支出は2025年に370億ドル(約5兆8600億円)に達すると予測され、前年比26%増となり、メディア業界全体の約4倍のスピードで成長している。企業はスマートフォン上で何が機能するかを知る人材を必要としており、すでに報酬を支払っているクリエイターを採用するケースも多い。

複数の仕事を持つことも、もはや珍しくない。米国労働統計局のデータによると、2026年8月時点で米国の就業者の約5.4%が副業(複数の仕事)をしていた。

買う側から見える景色

この取引でクリエイターが得るものは情報である。企業に入る前、ジョーンズにとってブランド案件とは、企画書、料金、修正、そして投稿を意味していた。しかし今、彼女はその周囲にあるもの、すなわちマーケティングカレンダー、社内関係者、有料およびオーガニックの計画、使用権、承認プロセス、そして「単にリール動画を納品するだけではクリエイターが気づかないような、素材が持つはるかに長い寿命」を目にしている。

それは彼女の料金設定を変えた。

「クリエイターとしては、『リール動画を1本頼まれたから、1本の料金はいくらにしようか』と安易に考えてしまいがちだ」と彼女は言う。彼女は現在、制作、投稿、使用を分けて考え、コンテンツがどこで使われるのか、有料メディアとして配信されるのか、ブランドがどれくらいの期間使う予定なのかを尋ねる。買い手の評価において、フォロワー数は一項目にすぎないことを彼女は学んだ。信頼性や、クリエイターが依頼内容を理解しているかどうかも同じくらい重視される。

それは彼女の会社のあり方にも影響した。Moments to Mediaのクライアントに対しては、まずその事業がコンテンツによって何を達成する必要があるのか、そしてその後どのように使われるのかから始め、それから何を撮影するかを決める。

両立することの代償

この「隣接するシフト」には代償もあった。ジョーンズは、今回の就職が、自分が築き上げてきたものを放棄したと周囲に受け止められるのではないかと不安を抱いていた。そして今でも、その2つの間で引き裂かれるような葛藤を抱えている。「他人のブランドにこれほど多くのクリエイティブなエネルギーを注ぎながら、どうやって自分自身のブランドやビジネスを築き続けられるのだろうか」と彼女は語る。

彼女の答えは、自分に投げかける問いを変えることだった。「その動きが一直線に見えるかどうかを問うのをやめ、それが次に自分のできることを広げるかどうかを問うようになった」

仕事に二重の価値を持たせる

オファーを検討しているミレニアル世代のクリエイターにとっての教訓は、給与と同じくらい意図的に学びを交渉することだ。署名する前に、雇用契約書にある副業、利益相反、自分が制作したものの所有権に関する条項を読み、自分のサイドビジネスが自分のものであり続けるようにする。社内に入ったら、予算がどのように動き、誰が何を承認するのかを学ぶ。そして自分の仕事には、投稿単位ではなく、範囲、使用条件、成果に基づいて価格をつける。

「新しい場所に入るとき、私はゼロから始めているわけではありません」とジョーンズは言う。「すでに築いてきたものすべてを、自分と一緒に持ち込んでいるのです」

かつてのクリエイターの夢は、二度と上司に従わないことだった。だが、より持続可能な形は、上司が知っていることを学び、それを自分の持ち場に持ち帰ることなのかもしれない。

(forbes.com 原文)

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