成長が突如として完全に崩壊することはめったにない。大抵は、時間をかけて勢いを失っていくものだ。
チームは活発に動き、新たな取り組みが展開され、優先事項は増え続ける。外部からは、すべてが順調に進歩しているように見える。しかし組織の内部では、実行に必要以上の労力がかかり始めている。
摩擦は日々の業務に定着し、そこから蓄積していく。放置すれば、事業が到達できる範囲を狭めることになる。
なぜ今、業務の摩擦の蓄積が加速しているのか
業界のペースは加速し、それに伴って期待値も厳しくなっている。多くのリーダーは迅速な行動と適応が不可欠であると述べているが、自社がそれに追いつけていると感じている人はごく少数にとどまる。
再設計されることなく、労働環境は複雑化している。導入されるツールが増え、コミュニケーションチャネルは多様化し、チーム間の依存関係は高まっている。
AIは定型業務を削減し、チームの迅速な意思決定を支援できる。しかし、ワークフローにおける役割が明確でなければ、確認作業や引き継ぎ、そして不確実性をかえって増やすことになりかねない。
その結果、成果が労力に見合わなくなっている。現在、従業員は仕事を生み出すことではなく、仕事の調整に時間の約60%を費やしている。活動の増加が、必ずしも進歩の向上につながるわけではない。多くの場合、それは摩擦が生じる接点を増やすだけである。
摩擦はどこに潜んでいるのか
摩擦は、完全にリセットされることのない一連の「微調整」を通じて蓄積していく。システムは統合・刷新される代わりに重複し始め、プロセスは明確な基準なしに変更され、一時しのぎの回避策が次第にワークフローの一部となっていく。意思決定の階層は増え、報告業務は増える一方で透明性は向上しない。
個々の調整は、単体では対処可能に見えるかもしれない。しかし、それらが合わさることで抵抗が生じる。仕事は進み続けるものの、より時間がかかり、より多くの調整が必要になり、個人の努力に依存する割合が大きくなる。チームがより多くの仕事をこなしているにもかかわらず、成長に無理が生じているように感じられ始めるのだ。
実行へのプレッシャーは今やオペレーションの内部にある
現在、オペレーションが戦略を実行へと結びつける役割を担っている。ある調査によると、オペレーション部門のリーダーが、経営方針を全社的な成果へと変換する責任を担う変化が起きているという。
成長は、チーム、システム、そしてパートナーの間で仕事がどれほど円滑に流れるかにかかっている。土台となる構造が追いついていなければ、いかに強力な方針を掲げても、遠くまで届くことはない。
組織が拡大するにつれて、より多くのツール、チャネル、プロセスが導入される。しかし、全体の調整が欠けていれば、それらの追加要素はレバレッジではなく摩擦を生み出す要因となる。
新たな能力の獲得に多額の投資をしながらも、迅速な行動に苦戦しているチームを筆者は目にしてきた。彼らの努力や意図は適切であったが、仕事の構造そのものが実行のスピードを遅らせていたのだ。
業務の断片化は、成果に悪影響が及ぶはるか前に、実行スピードを低下させる。
摩擦は時間とともにどのように蓄積されるか
些細な非効率が積み重なっていく。引き継ぎの遅れが手戻りを引き起こす。不要な承認ステップが標準的な慣行となる。一時しのぎの回避策が想定よりも長く定着する。
これらの層が積み重なるにつれて、システムを円滑に進めることが難しくなる。
勤務中、従業員は2分に1回もの頻度で作業を中断されることがあり、継続的な業務の実行を困難にしている。その影響は意思決定、対応力、そして一貫性に現れる。業績指標に影響が出るはるか前に、成長の勢いは失われているのだ。
強固な経営環境に共通する特徴
組織が成長する際、仕事を常に無理やり押し進めるのではなく、自然に「流れる」ように設計されている方がうまくいく。それには以下のような共通の特徴が見られる。
• 優先事項が成果に直結している。どの要素が成果をもたらすのか、どこにエネルギーを集中すべきかをチームが理解している。
• 負荷がかかってもプロセスが維持される。軌道を維持するために、絶え間ない調整や個人のスタンドプレーに依存することがない。
• 責任の所在が明確で、意思決定が迅速である。実務と意思決定ポイントの間にある階層が少ない。
• チームをまたぐ動きが意図的である。引き継ぎが滞ったり、先に進めるために手戻りが発生したりすることがない。
• 時間の経過とともに、実行の一貫性が高まる。チームは場当たり的な活動ではなく、構造に頼って成果を導き出すようになる。
これらの環境は、日々の仕事がどのように動いているかに細心の注意を払うことで実現する。
まずどこに注目すべきか
リーダーが仕事の動向に注意を払い始めると、ほとんどの摩擦は目に見えるようになる。摩擦はチーム間で共通の場所に現れる傾向がある。作業が繰り返し遅延する、業務の勢いを維持するために一時しのぎの回避策に依存する、多大な努力を払ってもそれに見合う成果の向上が見られない、といった状況だ。意思決定に予想以上の調整が必要となり、チームが実行に割く時間が減ってしまう。
これらのパターンは通常、個別の問題というよりも構造的な課題を示している。現場の仕事の進め方を近くで見守ることで、連携が崩れている箇所、システム同士が競合している箇所、プロセスが不要な労力を生み出している箇所が浮き彫りになる。これが可視化されることで、リーダーはチームに無理な努力を強いるのではなく、根本的な制約を解消するための足がかりを得ることができる。
成長へのより効果的な道のり
パフォーマンスの向上を目指す戦略、ツール、新たな取り組みには事欠かない。しかし、本当の進歩は、すでに進行を妨げている要因を取り除くことから生まれる場合が多い。
摩擦を解消することで、余力が生まれる。実行力は研ぎ澄まされ、チームはより明確な方針を持ち、抵抗の少ない状態で前進できるようになる。
より強固なシステムがあれば、一貫性を保つことが容易になる。仕事の管理に費やす時間が減り、事業を前進させるためにより多くの時間を割くことができる。
仕事の流れに注目し、障害となっているものを取り除き、そこから構築していくことだ。システムが仕事を支えるようになれば、成長が重荷に感じられることはなくなる。



