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経営・戦略

2026.10.10 07:53

「正しい採用」が、痛みを伴う「解雇」を防ぐ

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ビジネスの世界における不都合な真実である「従業員の解雇」について、その重要性と必要性を私はこれまで何度も執筆してきた。しかし同時に、その「痛みを伴う別れ」を回避するための秘訣を模索することにも、かなりの時間を費やしてきた。その答えは極めてシンプルだ。そもそも「正しい採用」を行うこと、これに尽きる。

ジョン・ウッデンは、「主役を引き立てる最大の要素は、チームの他のメンバーである」と述べた。リーダーに課せられた任務とはまさにこれであり、自らの成功の主役となるチームを構築することにほかならない。米国料理学院(CIA)で伝統的な修行を積んだ私の長男は、「ミザンプラス(mise en place)」という言葉をよく使う。これはフランス語で、調理を始める前に、計量済みの食材や器具などすべてを「所定の場所」に準備しておくことを意味する。これは採用活動にもそのまま当てはまる。

焦ってはならない

必要な解雇を先延ばしにすべきでないのと同様に、採用を急いでもいけない。採用を成功させるための秘訣として、最も重要で第一の要素は「時間をかけること」だ。人事部門や人材紹介会社に依頼する前に、採用チームとあなた自身が、以下の問いについて意見を一致させておく必要がある。

  • 何を求めているのか?
  • 何が必要なのか?
  • どのような人物がそのポジションに最適なのか?
  • どの程度の経験が必要か?
  • 組織のミッション、ビジョン、バリューにどれだけ共鳴している必要があるか?
  • 1年目の終了時点で、どのような状態を「成功」と定義するか?
  • このポジションには、どのようなユングのアーキタイプ(原型)が適しているか?(反逆者、道化師、創造者のいずれが必要か?)
  • 業務を開始するにあたり、その人物が必ず備えていなければならない重要なスキルセットや経験は何か?

これらの基準が定まったら、最終候補者リストに残った全員が「共に働きたいと思える人物」であることを確認するプロセスを進めていく。

次に行うのがジョブディスクリプション(職務記述書)の作成だ。フォーブスの寄稿者であるケイト・モーガン氏によれば、ジョブディスクリプションにおいて最も重要なのは、その役割に対する12カ月間の期待値を、特定の期間ごとに細分化して示すことだという。モーガン氏は「このように細分化することで、成功への道筋がより明確に描きやすくなる」と記している。

採用決定において直感は絶対に信じるな

直感を信じるべき時、直感が最大の味方になる時はある。しかし、採用活動はその時ではない。採用の意思決定には科学があり、あなたの直感がどれほど研ぎ澄まされていようとも、それは科学者ではない。

「ホーガン・アセスメント」などを活用し、データに基づいた性格的インサイトを得ることだ。また、産業組織心理学者を起用して候補者を評価し、客観的な外部評価を仰ぐのも有効な手段である。

フォーブス・カウンシルの元メンバーであるケイシー・ヒューブシュ氏も、この意見に同意している。「私たちが自分と似ている人や、好感が持てる人に惹かれるのは自然なことだ。第一印象はほんの数秒で決まることや、リーダーは個人的に親近感を覚える人を採用しがちであることは、よく知られている。しかしこれは、企業の成長に向けた採用において、最も有害な要因の一つになり得る。バイアスを克服するのは困難だが、候補者の将来的な活躍を真に予測したいのであれば、それは避けては通れないことだ」

そして、候補者が将来的に活躍することは、組織の将来的な成功を意味する。これこそが、採用を成功に導くもう一つの要素だ。

候補者との1対1の面接は不可欠

わずか1時間ほどの面接だけで、正しい採用ができるはずがない。チームに迎えようとしている候補者とは、少なくとも3回、理想的には5回、対話の機会を設けることを目指すべきだ。1時間で相手を深く理解することなど不可能であり、それは相手にとっても同様だ。

あなただけの面接では不十分

チーム全員を巻き込むこと。これには、新しい従業員の同僚となる人たち、直属の部下、そしてその他の主要なステークホルダーが含まれる。COO(最高執行責任者)やCFO(最高財務責任者)の採用であれば、取締役会を関与させることも検討すべきだろう。

人が会社を去る理由は、上司やチームにあることが多い。だからこそ、こうした対話が極めて重要になる。なお、ここで言う「チーム面接」を「パネル面接」と混同しないでほしい。これは、双方が役割について議論し、個人やチームのダイナミクスを観察し、相性を見極めるための場なのだ。

採用担当者は、チームからのフィードバックだけでなく、自分とは異なる視点から得られた新たな気づきにも恵まれることが多い。また、候補者にとっても、将来の同僚となるメンバーと働く雰囲気を、プレッシャーのない形で事前に把握できるというメリットがある。

「全責任は自分にある」ということ

採用を担当するリーダーであるならば、この採用を成功させる全責任はあなたにある。もし失敗しても、人事や選考委員会、チームに責任を転嫁することはできない。決断を誤った結果、その従業員の代わりを探さなければならなくなるのはあなた自身だ。その事実こそが、正しい決断を下すための最大のモチベーションとなるはずだ。

(forbes.com 原文)

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