AI開発企業アンソロピック(Anthropic)がスタートアップ企業向けの支援プログラム「Claude Startups」で拡充した無料特典は、発表からわずか3日で一時停止された。数十万件の申請が殺到したためだ。加えて、審査基準に不備があり、対象外の申請者まで承認されていた。特典をまだ受け取っていない承認済みの申請者も再審査の対象となり、利用者からは約束を撤回したとの批判が出ている。
申請殺到と審査不備で無料特典を停止、承認済み申請も再審査
アンソロピックは米国時間2026年10月6日、Claude Startupsの拡充を発表した。対象企業には、チーム向け有料プラン「Claude Team」をプレミアムユーザー最大5人分、1年間無料で提供する。加えて、Claudeを外部のアプリやサービスから利用する際のAPI利用料に充てられる1000ドル(約15万8000円)分のクレジットも付与する内容だった。同社は、創業者や開発者と「緊密に連携し続ける」ことが「我々の使命の中心にある」と説明していた。
対象は設立から5年以内、または過去2年以内に資金調達した企業で、Claude Startupsの公式ページから申請できた。ところが、アンソロピックのスタートアップマーケティング責任者サラ・ウルフは10月8日夜、Xへの投稿で審査の不備を明らかにした。アンソロピックは申請の「承認基準を適切に調整」できておらず、スタートアップではない多数の申請者にも特典の利用を認めていたという。
ウルフによると、拡充後の48時間で受け付けた申請件数は、それ以前の5カ月間の合計の21倍に達した。想定を超える申請を受け、ウルフは「拡充の際に、あまりにも多くの申請者を承認してしまった」と認めた。アンソロピックは、承認されても特典の受け取り手続きをまだ終えていない申請者へメールを送り、申請内容を再確認する方針だ。対象者は無料特典を利用できなくなり、再審査で承認が取り消される可能性もある。



