スペースXとテスラの株価上昇を受け、イーロン・マスクの純資産は米国時間2026年10月9日朝だけで220億ドル(約3兆4760億円)増加した。8日に下回った1兆ドル(約158兆円)の大台をわずか1日で回復した。純資産1兆ドル以上の大富豪を意味する「トリリオネア」に返り咲いた「トリリオネア」に返り咲いた形だ。
テスラとスペースXの株高で、マスクの純資産が約160兆円に回復
10月9日午前10時ごろ、マスクの純資産は1兆120億ドル(約159兆8960億円)となり、前日から2.15%増加した。8日には360億ドル(約5兆6880億円)減少し、一時は1兆ドルを下回っていた。
9日午前10時15分ごろ、テスラ株は2.5%超、スペースX株は約1.5%上昇していた。テスラは上海工場で生産した電気自動車(EV)の販売増、スペースXは米国の携帯通信向け周波数の取得合意が、それぞれ株高につながった。
テスラの中国製EV販売増、スペースXの周波数取得が株高を支える
中国の乗用車業界団体、中国自動車流通協会乗用車市場情報聯席分会(CPCA)が9日に公表したデータによると、テスラが上海工場で生産したModel 3やModel YなどのEV販売台数は9万5366台だった。前年同月の9万812台から5%増えた。
テスラは数日前、2026年第3四半期の納車台数が計48万6532台となり、アナリスト予想を上回ったことも発表した。年間納車台数の減少が3年連続となる事態を避けようとするテスラにとって、中国製EVの販売増と四半期の堅調な納車実績は好材料となる。
スペースXは、米国全土を対象とする800MHz帯の周波数利用免許群を取得することで合意したと発表した。免許群の価値は80億ドル(約1兆2640億円)と報じられている。800MHz帯は建物の壁などがあっても電波を届けやすく、携帯通信の提供範囲を広げるのに役立つ。スペースXは衛星と地上の通信網を組み合わせる携帯電話向けサービス「Starlink Mobile」の展開に向け、周波数免許の取得合意が道を開くと説明している。
保有株の値動きで純資産が大きく変動しても、マスクは長者番付首位を維持
マスクの純資産が初めて1兆ドルを超えたのは、スペースXがIPO(新規株式公開)を実施した2026年6月12日だった。ところが数日間の売りでスペースX株が31%下落し、数日後には再び1兆ドルを割り込んだ。マスクの株式報酬に当たるテスラ株1160億ドル相当(約18兆3280億円)が、一定期間の役職継続を条件とする制限付き株式となり、フォーブスの資産推計から除外されたことも影響した。
マスクはテスラ株の約11%、スペースX株の38%を保有している。純資産が両社の株価に大きく左右されるため、日々の株価変動だけで数十億ドル(数千億円)規模の増減が起こり得る。
マスクは6月中に1度1兆ドルを下回った後、短期間ながら大台を回復したが、7月1日に再び割り込んだ。10月5日に1兆ドルを超え、8日に下回り、9日朝に再び上回った。スペースX株とテスラ株の値動きを反映した変化だ。
10月5~9日の5日間だけでも、マスクの純資産は1兆ドルの大台を上下した。それでも、フォーブスの世界長者番付(リアルタイム版)では首位を維持している。2位はアマゾンのジェフ・ベゾスで、推定純資産は3782億ドル(約59兆7556億円)だ。



