自分だけだろうか、それとも最近の職場におけるコミュニケーションは、人事沙汰になりそうな本音を心の中で叫びながら、ひたすら言葉を飲み込む修行のようになっていないだろうか。「率直な意見を聞かせてほしい」と言われ、その通りに答えたとする。しかし、相手の反応を見る限り、どうやら彼らの言う「率直な意見」とは、あらかじめ用意された答えに納得することだったようだ。
本音をプロフェッショナルに伝える術を見つけるのは、もはや副業のようなものだ。仕事ができるからといって、他人の仕事まで引き受ける責任があるわけではない。そのことをどう伝えればよいのか。「主体性を持て」と言われるなら、意思決定の権限も伴うべきだ。それをどう訴えればよいのか。難しいのは、要点を損なわずに、叱責ではなく回答を引き出す言葉で伝えることである。
最初に浮かんだ返答は口にしないほうがよい。そんな場面に備え、職場でよくある8つの不満と、それを飲み込まずに伝える方法を紹介する。
愛想笑いの裏にある不満
ギャラップが2026年1月に発表した調査結果によると、従業員エンゲージメントの指標において、2020年以降で最も大きく低下したのが「期待値の明確さ」と「気遣われている実感」であった。定性分析では、回答者の35%が「コミュニケーションの改善が、期待値を明確にする上で最も役立つ」と回答している。
一方、ピュー・リサーチ・センターは2024年12月、労働者の76%が「仕事で期待以上のことをしている」と回答したと報告した。すでに求められている以上に貢献していると感じている労働者にとって、新たな「ちょっとした機会」は、こなす時間のない追加の責務に思えるかもしれない。
すでに期待以上の働きをしていると感じているとき、指示が曖昧だったり、さらに別の仕事を割り振られたりすると、冷静に対応するのが難しくなる。適切な言葉を見つけることで、「ただイライラする」状態から脱却し、本当に変えるべきもの、つまりより明確な期待、無理のない業務量、職務を遂行するに足る権限へと議論を進められる。
手元に置いておきたい、職場の言い換え表現8選
1. 「正解」が決まっている意見の求め
本音:「意見を求められたから言ったのに、どうやら最初から正解が決まっていたようですね」
おすすめの表現:「今回の決定はまだ議論の余地がありますか。それとも、実行段階に向けた具体的なアイデアを求めていらっしゃいますか」
意思決定への参加を求められているのか、それともすでに下された決定の実行を求められているのかを明確にすることだ。もし決定が最終的なものであれば、誰も検討する気のない選択肢を議論するのではなく、それをどうやって成功させるかに集中できる。もし意見が歓迎されるのであれば、懸念点を説明した上で代替案を提案しよう。いずれにせよ、意見を述べる前に、どのような文脈で会話が行われているかを把握しておく必要がある。



