イーロン・マスク率いるスペースXは、スマートフォンなどの携帯端末向け通信サービス「Starlink Mobile(スターリンク・モバイル)」の開始に向け、全米で利用できる800MHz帯の周波数を取得する契約を発表した。発表後、米通信大手3社の株価は、米国時間2026年10月9日早朝の市場前取引でそろって大幅に下落した。
スペースXが800MHz帯を取得、建物内でもスマートフォンがつながる範囲を広げる
スペースXは発表で、投資会社グレイン・マネジメントから、全米で利用できる800MHz帯の周波数利用権を取得することで合意したと明らかにした。取引の成立には米連邦通信委員会(FCC)の承認が必要となる。スペースXは800MHz帯を活用することで、Starlink Mobileの通信範囲を広げ、特に建物内で電波が届きにくい問題を改善できると説明している。建物内の通信環境の改善は、サービス開始に向けて残された主要な技術課題だった。
800MHz帯の電波は、スターリンクが使用している高い周波数帯に比べて遠くまで届き、壁などの構造物を通り抜けやすい。スペースXによると、既存の携帯端末の多くが800MHz帯に対応しているため、利用者は端末を買い替えずにStarlink Mobileを使える可能性がある。比較的新しいiPhoneも800MHz帯に対応しているが、サービス開始時にStarlink Mobileを利用できるかどうかは分かっていない。
取得額は約1兆2640億円と報道、米通信大手3社の株価が下落
スペースXとグレイン・マネジメントは取引金額を公表していない。ただし、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、スペースXが周波数利用権の取得対価として、グレイン・マネジメントに現金80億ドル(約1兆2640億円)を支払うことで合意したと報じた。
発表後、10月9日早朝の市場前取引では、AT&T株が6.6%安の23ドル、ベライゾン株が7.23%安の43ドル、Tモバイル株が6.79%安の159.70ドルとなった。対照的に、スペースX株は10月8日に4.19%下落したものの、9日早朝には3.6%高の166.40ドルとなった。



