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2026.10.15 20:15

野菜より油が先、血糖値の急上昇を抑える油ファーストの仕組みを京大が解明

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食後の血糖値の急上昇は、糖尿病患者でなくとも長期的に体に大きな負担をかけ、糖尿病リスクを高めてしまう困った現象だ。それを抑えるには、繊維質の多い野菜を最初に食べる「ベジタブルファースト」が効果的とされてきた。しかしこのほど、京都大学をはじめとする研究グループは脂質に着目して実験を行った。すると、糖質よりも先に脂質を摂取することで、食後血糖の急上昇が大きく抑えられることがわかったのだ。

野菜を先に食べると、食べたものが胃から腸に送られるまでの時間(胃排出速度)が食物繊維の影響で遅くなる。すると腸での糖質の吸収をゆっくりにできるため、食後血糖の急上昇が抑えられる。またその後でタンパク質を摂ると、GLP-1などのインスリン分泌を促すホルモンが早期に働き、血糖値の上昇がさらに抑えられる。脂質でも、同様の効果があることが知られていた。

そこで、京都大学、関西電力医学研究所、岐阜大学、藤田医科大学、秋田大学、京都府立大学、岐阜薬科大学、名古屋大学、トロント大学、アデレード大学などからなる研究グループは、マウスを使って、食事より前に油を摂取したときの食後血糖値の変化を検証した。比較対照のため、マウスに水を与え、15分後にブドウ糖、さらに15分後に水を与える群(コントロール)、先にオリーブオイルを与え、15分後にブドウ糖、さらに15分後に水を与える群(前負荷)、そして、まず水を与え、15分後にブドウ糖、その15分後にオリーブオイルを与える群(後負荷)の3群で実験を行った。

その結果、コントロールと後負荷は30分後に血糖値のピークがあったのに対して、前負荷では60分後に緩やかなピークが認められた。しかもピーク時の血糖値は前負荷では他に比べておよそ100mg/dLも低かった。血糖値上昇の指標となるAUC(⾎糖曲線下⾯積)の値は、0〜60分、0〜120分とも前負荷が明らかに低くなっていた。さらに胃の排出時間も、前負荷が他の2つに比べて5分ほど遅くなることが示された。また、胃排出を遅らせる働きのあるホルモン「グルカゴン」、インスリンの分泌を促す腸管ホルモン「GIP」、そしてGLP-1が前負荷では早期に働き、他の2つとは顕著な差が見られた。

研究グループはそこで、脂質を先に摂取することでグルカゴンとGLP-1が早期に分泌され、それを感知した脳が迷走神経を通じて胃排出を遅らせる指令を出すというメカニズムを解明した。実験では、グルカゴンとGLP-1を脳に届かないようにした場合と、迷走神経の指令が胃に届かないようにした場合では、前負荷の血糖値上昇を抑える効果がほぼ見られなくなった。

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文 = 金井哲夫

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