ザッカーバーグが「娘への手紙」で本当に伝えたかった事

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マーク・ザッカーバーグと妻のプリシラ・チャンが生まれてきた娘のためにどんなことをしたか、たぶんあなたはもう知っているだろう。そう、フェイスブック株の99%(現在の価値で450億ドル)を慈善事業に寄付することを、娘に宛てた手紙の中で発表したのだ。手紙という形をとっているが、それは「世界をより良いものにしていこう」と呼びかける力強いスピーチとなっている。

「親になった人たちが皆思うのと同様に、僕たちは君が育つ世界が今よりもっと良いものであることを願っている」という書き出しでその手紙は始まる。娘たちの世代に望むことをザッカーバーグはこんなふうに綴っている。
「人間の持つ可能性をさらに広げ、平等な世界の実現に向けて進むこと」

人間の持つ可能性をさらに広げる――それは、一体どういうことなのか? ザッカーバーグは問いかけの形でそれを示している。

・君が我々の100倍学び経験できる社会を実現できるか?
・君が健康で長生きできるようあらゆる病気に対処できるか?
・世界中のアイデアや人々、チャンスに君がアクセスできるよう世界をつなげられるか?
・想像もつかないような新しいものを、環境を破壊することなく君が創り出せるよう、ク
 リーンエネルギーの活用を推し進められるか?
・君が新たなビジネスを起こし、平和と繁栄を社会にもたらせるように起業家精神を育めるか?

「平等な世界の実現に向けて進むこと」に関してはどうだろう? 「国籍や出自や置かれた環境に関係なく、誰でもチャンスを手に入れられるようにすることだ」とザッカーバーグは語っている。

・貧困や飢えを克服できるか?
・全ての人が毎日を健康に過ごせる世界を実現できるか?
・多様なものを進んで受け入れる社会を作れるか?
・どの国の人々とも平和で互いに理解し合える関係を築きあげられるか?
・女性や子供、マイノリティや移民、インターネットを使える環境にない人などに力を与えられるか?

ザッカーバークはこう結論づけている。「僕たちの世代が正しく投資を行えば、ほとんどのことは実現するだろう。それも僕らの生きているうちに」

さらに、「長いスパンで考えた投資が必要だ」とザッカーバーグは語っている。
「それは25年、50年、いやもしかしたら100年以上かかるかもしれない。大切なのは人々と直接かかわること、変化を起こすための技術を作り上げること、政治に対して声を上げ議論をすること、それぞれの分野で力のあるリーダーたちを支援すること、そしてよりよい未来のために今、リスクをとることだ」

ザッカーバーグの手紙は娘のマックスに宛てたものだが、「マックス」は全世界の子供達のことを意味している。
「マックス、僕たちは愛する君のために、この世界をより良いものにしなければならないという大きな責任を感じている。君の人生が愛と希望と喜びに満ちたものになるように。君がこの世界に何をもたらしてくれるのか、僕たちは楽しみでたまらないよ」

編集=速水由美

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