この懸念の一部については、同社も答えを用意している。経営陣は9月30日の決算説明会で、契約に基づく売上高のおよそ4分の3には、あらかじめ決めた価格の枠組みがあると述べた。その枠組みの多くは価格の下限と上限を定めたもので、マイクロンが受け取る価格は、決められた範囲のなかでしか動かない。
ただし、残りは値下がりリスクにさらされたままだ。契約に基づく売上高のおよそ4分の1は、価格を定期的な交渉で決めるか、市場価格に連動して動く仕組みになっている。また、上限が設けられているため、価格がさらに上がっても、マイクロンはその値上がり分をすべて受け取れるわけではない。
いまのところ、経営陣は、価格がすぐに下押しされるとはみていない。メモリー市場の需給のひっ迫は2028年まで続くと予想しており、需給がいつ釣り合うのかはまだ見通せていないとも述べた。
マイクロンの契約がほころび始めたことは、どこでわかるのか
マイクロンの契約のほころびは、市場に出回るメモリーチップが増えたときに、顧客が購入の確約に応じなくなったり、決められた価格を拒んだりする形で表れるだろう。増えるチップの一部は、マイクロン自身が供給することになる。同社は、アイダホ州の工場で2027年半ばに最初のウエハー(半導体チップを作り込む円盤状の基板)を生産する見込みだ。また、チップを製造する工場内の空間であるクリーンルームも、2028年後半に新たに完成する予定である。
マイクロン株が過去に大きく値下がりしたことがあるのは確かだ。2022年のインフレショック(物価の急上昇をきっかけに株式市場が大きく下げた局面)では、S&P 500の下落率が24%だったのに対し、マイクロン株は49%下落した。
アイダホ州の工場で最初のウエハーが生産される見込みの2027年半ばまで、契約に基づく売上高の4分の3超について、あらかじめ決めた価格の枠組みが保たれるかどうか。保たれていれば、顧客がなお決められた価格を受け入れていることの表れになる。


