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2026.10.08 15:30

「バービー」不振のマテル、売却と独立再建の岐路──新CEOは価値を示せるか

monticellllo - stock.adobe.com

クレイズから経営を引き継ぐリンチ、収益力の改善が課題に

売却が実現するかは不透明だ。より差し迫った問題は、新経営陣がマテルをどう運営するのか、会長兼CEOに就任するロジャー・リンチが、会社を売却せず独立企業として経営を続けるほうが、マテルの価値を高められると示せるかどうかだ。

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リンチが経営を引き継ぐのは難しい局面だ。前任のイノン・クレイズは8年間、知的財産を軸にマテルを変革した。2023年には映画『バービー』が大ヒットし、クレイズの取り組みは大きな成果を上げた。クレイズはマテルを離れ、2026年10月5日に当時のパラマウント・スカイダンスの共同CEOに就任した。同社は翌6日、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの買収を完了し、社名をスカイダンスに変更した。クレイズはスカイダンスでも共同CEOを務め、デビッド・エリソンは会長兼CEOを務めている。

後任のリンチは出版社コンデナストからマテルへ移る。コンデナストでは7年余りにわたり、出版事業の変革を進めてきた。

マテルに求められるのは、玩具、映画、テレビ、ゲーム、ライセンス、消費者向け製品、体験型事業を通じて、保有ブランドから従来を大きく上回る収益や事業機会を生み出せると示すことだ。クレイズが掲げた戦略も、知的財産を幅広い事業へ展開し、ブランドから得られる価値を高めることを目指していた。だが第2四半期は、売上高が10%増の11億3000万ドル(約1785億円)となった半面、売上総利益率は2.7ポイント低下した。純損益も前年同期の5300万ドル(約84億円)の黒字から、1800万ドル(約28億円)の赤字へ転じた。

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バービー不振で、ブランド群を1社で抱える意味が問われる

最大の問題は依然としてバービーだ。第2四半期の全世界で、グロス・ビリングスはバービーが16%減、フィッシャープライスが7%減となったが、ホットウィールは14%増えた。グロス・ビリングスは顧客への請求額を示す指標で、値引きなどの販売調整は反映しない。

オーセンティックが狙う、業績だけでは測れない知的財産の価値

オーセンティック・ブランズ・グループが買収に関心を示している点は、とりわけ重要だ。オーセンティックは、現在の業績が振るわなくても、知的財産そのものには大きな価値がある消費者ブランドを買収する事業モデルを持つ。

オーセンティックは、リーボック、チャンピオン、ゲス、ノーティカ、ブルックス ブラザーズ、フォーエバー21、ドッカーズ、テッドベーカーなど、50を超えるブランドを保有または管理している。2026年8月にはケアベアの知的財産を買収し、オーセンティックが「キャラクターを軸にした新たなエンターテインメント事業分野」と呼ぶ領域を設けた。

ウノやゲーム事業にも再編余地、ブランドの一体運営が焦点に

投資家は、マテルが全ブランドを1社で運営し続けるべきかという疑問を強める可能性がある。ウノとマテルのゲーム事業には、デジタル分野と実物商品の双方を使ったエンターテインメントへ事業を広げる余地がある。マテルは2026年、モバイルゲーム開発会社Mattel163の未保有分50%を取得して完全子会社化し、自社で販売するゲームも開発している。

マテルはすでに、ディズニー&ピクサー、マイクロソフト、ワーナー・ブラザース、NBCユニバーサル、WWEなどとブランド展開で協業している。自社では、マスターズ・オブ・ジ・ユニバース、MEGA、アメリカンガール、ポリーポケット、モンスター・ハイ、きかんしゃトーマスなどを保有する。

次ページ > 買収には債務負担も伴う、売却か独立再建かの判断へ

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