買い物を代行するパーソナルAIエージェントの普及に備え、ブランド側にも、商品情報をAIが理解しやすい形で提供する仕組みが求められ始めている。DaVinci Commerceやセールスフォース、Shopifyは、商品情報の配信や文脈の付加、AI上で検索・推奨された結果の測定に取り組んでいる。消費者が商品を見る前にAIが候補を選ぶようになれば、ブランド同士の競争は、人間向けのウェブサイトだけでなく、AIに商品をどう理解させるかにも広がる。
DaVinci Commerceの「Brand Agent」、ChatGPTやGeminiなどへ商品情報を配信
DaVinci Commerceは、ブランドや小売企業向けに、パーソナルAIエージェントを使った商品検索や購入を支援する基盤を提供する米企業だ。商品情報をAIが理解・推奨しやすい形に整え、AIを通じた商品発見から購入までを支援する。
同社が今回打ち出したのが、商品ごとにブランドAIエージェントを持たせる構想だ。ブランドAIエージェントは、買い物客のパーソナルAIエージェントが商品を探す際、ブランド側の公式な商品情報を提供する役割を担う。
米カリフォルニア州サンマテオのDaVinci Commerceは2026年10月5日、「Agentic Commerce Experience Platform」を拡張した。新たな「Brand Agent」はChatGPT、Gemini、Claudeに加え、メタ(Meta)のMuse、OpenAI dotsなどのパーソナルAIエージェントへ商品情報を公開する。同時に、特許出願中の「Product Context Memory」も導入した。
こうした機能の投入は、小売企業がソフトウェア、とりわけパーソナルAIエージェントによる買い物に備え始めている状況を背景としている。
AIを使った商品検索(AI検索)経由の注文が急増、ブランド公式サイトの引用率は5~10%
米ビジネスメディア『Inc.』によると、AIサービス経由のトラフィックは前年同期比8倍に増え、AI検索経由の注文件数は約13倍に急増した。AI検索では、新規購入者による注文が従来型のオーガニック検索経由の約2倍の割合で発生した。
ChatGPTなどのAIサービスが生成する回答では、ブランドが取り上げられないことも多い。AI検索でブランドがどの程度表示・引用されるかを追跡するProfoundによると、関連する質問でブランド公式サイトが引用される割合は5~10%にとどまる。



