リーダーシップ

2026.10.28 13:15

スタンフォード講師が教える、仕事の不満を解消する「エコシステム思考」

stock.adobe.com

stock.adobe.com

不満を抱えるビジネスパーソンに何が問題なのかを尋ねると、状況全体に対する極端な結論が返ってくることが多い。「今の仕事が嫌いだ」というものだ。このような大ざっぱな結論は、大がかりな解決策を呼び寄せる。仕事を辞める、キャリアチェンジする、あるいはゼロからやり直す、といった具合だ。

ヘレン・クルーグ・フォン・ニッダ(Helen Krug von Nidda)博士は、20年以上にわたりその結論を耳にしてきた。民間企業や国連での人事リーダーとして、そして現在はエグゼクティブコーチやスタンフォード大学の講師として、彼女は行き詰まりを感じている無数の優秀な人々と向き合ってきた。全米でベストセラーとなった彼女の新著『Closing the Fulfillment Gap: How to Design the Work Life You Want(充足感のギャップを埋める:望むワークライフをデザインする方法/未邦訳)』が提示する主張は、安心感を与えると同時に非常に的を射ている。その解決策は通常、導き出された結論が示すよりも小さく、より精密なものなのだ。

彼女は「充足感のギャップ」を、「自分が意図していることと実際に体験していることとの間の距離」と定義している。その典型的な兆候は、多くの高い実績を上げる人々にとって馴染み深いものだ。「望んでいたものはすべて手に入れたが、満足していない」という思いである。初期のサインは、かすかな憧れや、何かが違っているという感覚など、ごくわずかなものだ。「最初は小さな亀裂のようにしか感じられないかもしれません。けれども、それが深い渓谷になる前に捉えることが重要なのです」と彼女は語る。

「出世の階段」ではなく「エコシステム」で考える

私たちは、出世の階段(キャリアラダー)や昇進ルート、生産ラインといった、直線的な仕事のモデルを受け継いできた。しかし階段では、1段でも壊れていれば、登るプロセス全体が誤っていることになってしまう。クルーグ・フォン・ニッダは異なるイメージを提案する。彼女はクライアントに対して、自分の仕事を、「チーム」「勤務地」「報酬」「仕事内容そのもの」といった互いに関連し合う要素からなる「仕事のエコシステム(生態系)」として捉えるよう促している。

次ページ > 全体が悪いのではなく、一つの要素が自分を不幸にしているのだと気づく。

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事