ケニアの保健当局は米国時間10月6日、同国籍の人物がエボラ出血熱の検査で陽性だったと発表した。同国での感染確認は初めて。数千人の死者を出しているコンゴ民主共和国での流行が始まって以来、感染者が報告されたのはこれで4カ国目となる。
ケニアのアデン・デュアレ保健相が6日の記者会見で明らかにしたところによると、患者はコンゴに居住するケニア人だという。「約1カ月前に発症し、コンゴ滞在中に複数の病院で治療を受けていた」と説明している。
その後、患者は陸路でウガンダの首都カンパラへ移動し、そこからケニアの首都ナイロビ行きの航空機に搭乗。3日に同地に到着した。
ナイロビ到着後、患者は家族によって市内の病院に搬送された。デュアレ保健相によると、患者には「発熱、悪寒、激しい疲労感、脱力感、筋肉痛、嚥下痛、喉の痛み、注射部位の皮下出血」などの症状があり、医師らはウイルス性出血熱と診断した。
患者は隔離されエボラ出血熱の治療を受けたが、現地時間5日午後11時30分に死亡したという。
ケニアの保健当局は、患者と接触した家族や医療従事者28人と、カンパラからの航空機に同乗していた23人を特定し、現在隔離の準備を進めている。
デュアレが6日に記者団に語ったところによると、患者はナイロビのジョモ・ケニヤッタ国際空港で「通常の検疫」を受けたが、その場で隔離されることなく通過していた。ケニア保健省のパトリック・アモス保健局長は会見で、「彼が服用していた薬の一部が症状を抑え込み、検疫の目をすり抜けた可能性がある。薬を飲んでいたためにシステムを通過できてしまったということだ」と補足した。またアモス局長は、ナイロビ到着後に家族がすぐに病院へ連れて行っていることから、「本人は自身の体調不良を自覚していたはずだ」とも述べている。
米疾病対策センター(CDC)が2日に更新したデータによると、今年5月にエボラ出血熱の流行が始まって以来、コンゴでは4080人がこの感染症によって死亡した。同国では5月以降に合計8442人の感染が報告されている。また、隣国ウガンダでも計20人の陽性が報告され、2人が死亡。フランスでも6月に1人の感染が確認されている。
CDCによると、エボラ出血熱はサハラ以南のアフリカで初めて発見されたウイルス群によって引き起こされる感染症だ。発熱や体の痛み、疲労感といった症状のほか、出血、嘔吐、下痢などを伴うこともある。すでに発症している患者の体液に接触することで感染が拡大する。今回の流行は5月にコンゴ東部で始まった。原因となっているのは「ブンディブギョ株」と呼ばれるウイルスで、現在この特定の株に対して承認されたワクチンは存在しない。米国は5月の流行発生を受けて渡航制限を実施しており、コンゴ、ウガンダ、南スーダンを訪問した米国市民に対し21日間の再入国を禁止するなどの措置をとっている。



