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I write about the casino business in Macau and around Asia.

leungchopan / shutterstock

マカオの11月のカジノ収入が前年同月比32.2%減の164億3,000万パタカ(約2,497億円)に落ち込んだ。世界のカジノの中心地であるマカオで収入が前年割れを記録するのは11月で18カ月連続。

今年に入ってからの11カ月の収入は前年同期を35.3%下回っている。10月にはMelco Crown Entertainmentの最新施設、スタジオ・シティのガラ・オープニングが開かれたほか、今年はこれに先立ち、ギャラクシーのフェーズ2、ブロードウェイ・マカオの拡張や、中国本土からの旅客を対象としたトランジット滞在制限緩和が行われたにもかかわらず、深刻な収入減を記録した。どのようにマカオの悪循環を好循環に反転できるのか、人々は苦悩している。

11月のカジノ収入は今年に入って最も低い水準だっただけではなく、2010年9月以降の最低を記録した。例年11月は中国の国慶節(10月1日)以後の「ゴールデンウイーク」によって押し上げられる10月実績を平均11%下回るが、今年はスタジオ・シティが1カ月を通じて稼働したにもかかわらず18%下回る結果となった。

ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズによると、マス・マーケット収入は2015年に入って最低の水準だった。このことは、スタジオ・シティが特にマス・マーケット向けカジノ事業に焦点を当てており、観覧車から5,000席のアリーナまで、非カジノ施設に数億ドルを投じていることを踏まえると、非常に憂慮すべき問題だ。

カジノ以外のメニューの拡充は、マカオならびに中国当局の意向を反映している側面もある。両当局はカジノ運営権を保有する事業者らにカジノだけではなく、これまで各事業者が進めてきた以上にホテル、ショッピングモールの建設を加速させることを求めている。一方で、こうした動きは中国の習近平国家主席による反汚職キャンペーンや本土の経済成長の鈍化を受け、高額な掛け金で遊ぶハイローラーやVIPが減少していることへの反応でもある。

手数料がかかるジャンケットプロモーターやクレジットを避けるVIPのプレー分が失われたことで、VIPになれるほど裕福な「プレミアム・マスマーケット」セグメントがカジノにより多くの収益をもたらすことへの期待が生まれている。しかし、プレミアム・マスマーケットのプレーヤーたちも、VIPが直面する経済・政治的逆風については彼らと同じくらい敏感なはずだ。

従って望みは「グラインド・マスマーケット」と呼ばれる層に移る。彼らはカジノに最低限しか求めず、最も大きな利幅をもたらす。ウェルズ・ファーゴのシニアアナリスト、Cameron McKnightとアソシエートアナリストのRobert Shoreは、グラインダー(堅実なプレーヤー)に対する積極的な売り込みにもかかわらず、マスマーケット・セグメントのマスエンドの「代理投票」と考えられるスロットマシンの収入は6%低下していると指摘している。

では、旅行者はマカオを訪れてもカジノには来ていないのだろうか? 1〜10月のマカオへの訪問者数は前年同期比2.6%減。中国本土からの訪問者は同3.5%減、海外からの訪問者も同水準となっている。ホテル稼働率と客室料金も低い水準で推移。つまり、今のところカジノ以外の旅行ブームが起きているという訳でもないようだ。

マカオ特別行政区のフェルナンド・チュイ(崔世安)行政長官は先月の施政報告で、来年通年のカジノ収入を2,000億パタカと予想した。これは今年の見通しを10%台前半から半ば程度下回る水準だ。マカオ政府はカジノブームの際に通年のカジノ収入を低く見積もったことで悪評が高いが、クレディスイスのアナリスト、Kenneth Fong とIsis Wongによると、今回の見通しも低すぎる水準となったようだ。これは、今年は通年でカジノ収入の減少が続いたため、緊縮財政を余儀なくされたことが影響しているようだ。

反汚職の取り組みと本土の経済減速のいずれが、マカオがスランプに陥っている現状により大きく作用しているのか、断言することは難しい。2つのカジノがオープンして、スティーブ・ウィン氏がコタイ地区で手掛ける待望の「ウィン・パレス」の開業は6月後半へと3カ月延期された。運営会社によると建設上の問題によるもので、カジノ業界のトレンドとは無関係ということだが、マカオから生まれるきっかけで市場がすぐに良くなるとは考えにくいのが現状だ。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

 

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