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2026.10.12 16:15

物価高でも生活満足度は過去最高が7割。会社や慣習に縛られない「個の最適化」

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日々の業務やキャリアのあり方を考えるなかで、かつて当たり前とされていた組織への帰属意識や、社会的な慣習に変化を感じている働く男女は少なくないはずだ。継続的な物価上昇や将来不安が報じられる一方、生活者の意識は悲観に沈むのではなく、自分の暮らしを自ら守り、心地よい関係を選び取る方向へシフトしている。そうした中、博報堂生活総合研究所が実施した長期時系列調査「生活定点1992-2026」の結果から、現代の生活者における意識の大きな変化が浮かび上がってきた。

それによると、継続的な物価高のなかにありながら、「現在の生活に満足している」と回答した割合は過去最高の70.8%に達した。この数値は、2006年および2008年の62.6%から8.2ポイント上昇し、調査開始以来初めて7割の大台に乗った形だ。生活への不安要素が多い現状において、なぜ満足度が高まりを見せているのだろうか。

その背景にあるのが、生活や将来を会社に頼り切るのではなく、自らの手で守り、暮らしを整えようとする自立的な姿勢である。「株など投資に今後お金をかけたい」という項目は、2012年の11.4%から21.4ポイント上昇して過去最高の32.8%を記録。2020年以降、上昇の動きが鮮明となっている。対照的に、「会社に対する忠誠心があると思う(有職者)」は、1998年の35.2%から10.6ポイント低下し、過去最低となる24.6%まで落ち込んだ。終身雇用や年功序列の希薄化とともに、組織への依存から脱却し、個人の力で経済的基盤を固めようとする冷静な割り切りがうかがえる。

自力で足元を固める一方で、自身が本当に心地よいと感じる領域には積極的にリソースを投じる傾向も強まっている。「趣味にお金をかけている」は1998年の20.7%から15.4ポイント増の36.1%へ上昇。身の回りの楽しみにお金を使い、日々の暮らしに手応えをつくり出す動きが広がっている。

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文=飯島範久

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