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AI

2026.10.12 11:15

AI時代にこそ考えたいジョブズの問い、「人間はデジタルなのか?」

NeXTやアップル時代に取材したスティーブ・ジョブズ © naonori kohira

NeXTやアップル時代に取材したスティーブ・ジョブズ © naonori kohira

スティーブ・ジョブズとは、NeXT時代と第2次アップル時代に何度か会った。あるとき、ちょっとした雑談の中で、彼が突然「実は人間ってデジタルだよね」と言ったことがある。そのときは、その意味がよく分からなかった。ところが先月、ある会合で似たような話を聞いた瞬間、ジョブズの言葉がフラッシュバックした。考えてみると、とても面白い問いである。

僕たちは目で見て、耳で聞き、手で触り、匂いを感じながら、基本的にはアナログの世界に生きている。しかし、外から入ってきた情報は脳に伝わり、神経細胞やシナプスを通して処理されていく。もちろん、人間の脳をそのままコンピュータのようなデジタル機械と考えることはできない。それでも、外の世界から情報を受け取り、それを脳の中で処理しているという意味では、「人間ってデジタルだよね」というジョブズの言葉には、考える価値がある。

僕は1980年代からシリコンバレーでコンピュータをつくる人たちを撮影してきた。その経験から感じるのは、コンピュータの歴史とは、人間とコンピュータの距離を縮めてきた歴史でもあるということだ。PCは、人間とデジタルの世界をつなぐインターフェースだった。

当時、ジョブズが僕に話してくれた印象的な言葉がある。「オブジェクト指向プログラミングは1990年代の革命だ」。ジョブズが進めたPC革命の本質も、コンピュータを人間に近づけることにあった。それまでのコンピュータは、人間がコンピュータの言葉や命令を覚え、機械のルールに合わせて操作する必要があった。

それがGUI(グラフィカルユーザインタフェース)の登場によって、画面の中にファイルやフォルダー、画像や文字など、人間が理解しやすい「もの」が現れた。コンピュータの論理を人間に押しつけるのではなく、コンピュータを人間の側に近づけたのである。MacやiPhoneも、単なる機械ではなく、人間とデジタル世界をつなぐ新しい入り口だった。

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文・写真 = 小平尚典

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