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2026.10.06 08:47

エジソンの時代から変わらぬ電力網、データセンターが21世紀へ押し上げる

Adobe Stock

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アレクサンダー・グラハム・ベルにスマートフォンを渡しても、電話をかけるのに苦労するだろう。一方で、エジソンなら今なお電力網を見分けられるはずだ、とよく言われる。今日、人々はその隔たりを強く意識するようになっている。データセンターと電化による需要増がコストを押し上げる一方、老朽化した電力網の信頼性は低下しているからだ。

米エネルギー省は、データセンターの電力使用量が2028年までに米国需要の最大12%へ、ほぼ3倍に増える可能性があると予測している。グーグル、マイクロソフト、エヌビディアなどの企業は現在、信頼性の高い電力へのアクセスを早めるため、電力網に直接投資している。この「電力確保までのスピード」を求める動きが、ついに電力網を21世紀へと押し上げるかもしれない。

数十年にわたる困難な闘い

何十年もの間、電力網に変化を強いるものはなかった。需要は横ばいだった。規制は慎重さに報い、需要の柔軟性を可能にするよりも、発電設備や送電網の建設を公益事業者に促す仕組みだった。その慎重さには理由があった。電気を止めないことには安全上の責務が伴い、失敗すれば実際の影響と罰則が生じる。変化を強制するほど強い圧力がない中で、集中型の電力網は、需要を追いかけて発電をリアルタイムに調整する支配的な構造であり続けている。

多くの技術が挑戦してきた。太陽光、風力、蓄電池、EV充電、監視・制御のハードウェアとソフトウェア、仮想発電所(VPP)などである。それぞれが、集中型で規制された電力網の慣性に何十年も抗ってきた。50州の規制当局と数千の個別公益事業者が存在し、それぞれが独自のルール、インセンティブ、リスク許容度を持つため、すべての案件が個別交渉になった。成功とは、公益事業者を1社ずつ、州を1つずつ、実証事業を1件ずつまとめることを意味した。ベンダーは、その寄せ集めの構造を生き抜くためだけに、市場開拓戦略全体を構築した。技術は時間とともに成熟したが、顧客は変わらず、それこそが導入における最大の障壁となった。

新たな顧客の登場

データセンターは、大規模で従来とは異なる買い手として登場した。技術志向が強く、公開市場で自由に投下できる資本を潤沢に持つ存在である。彼らはその資金を使い、技術を急速に導入している。Dell’Oro Groupによると、世界のデータセンターの設備投資額は2029年までに年間1兆ドル(約158兆円)を超える見通しだ。

マサチューセッツ州のVEIRを例に取ろう。同社は超電導送電線の構築を目的に2019年に設立された。同社の技術は、同じ設置面積で5〜10倍の電力を送ることができ、立地選定や許認可の負担を軽減する。同社は6年をかけて公益事業セクターへの足掛かりを築いた後、データセンターへの注力を広げた。2025年には、マイクロソフトの支援を受けて7500万ドル(約119億円)を調達した。

VEIRの共同創業者兼CEOであるティム・ハイデルは、インタビューでこう語った。「AIブームは、電力網全体のイノベーションを促す一生に一度の機会だ。データセンターは、送電だけに取り組んでいた場合よりもはるかに速く、商業化と導入を加速できる近い将来の機会を与えてくれる」

柔軟性が足場を得る

需要の柔軟性にも同じ構図が見られる。Voltusのような仮想発電所企業は、公益事業者向けに柔軟な負荷を引き出すためのプラットフォームを何年も構築してきた。障害は技術の問題というより、細分化された市場開拓戦略を必要とする難しいビジネスモデルにあった。データセンターはこの問題を完全に迂回する。昨年、Voltusは「Bring Your Own Capacity(BYOC)」モデルを開始した。データセンター開発事業者が、自らのエネルギーフットプリントを相殺するため、地域コミュニティのVPPに直接資金を提供する仕組みである。

エヌビディアが支援するEmerald AIのチーフサイエンティストで、ボストン大学教授でもあるアイシェ・コスクンは、早くも2013年に研究を発表し、データセンターが電力使用をリアルタイムで調整することで、太陽光や風力の変動を電力網運用者が均衡させる助けになり得ることを示した。この研究は、AIブームに何年も先行していた。「その期間の大半において、主な商業的メリットはデータセンターの電気料金が下がることだったが、それはほとんどの運用者にとって優先事項ではなかった」とコスクンは説明する。「AIブームが計算を変えた」。データセンター需要はいま、電力網が容量を追加できるペースを上回って伸びており、コスクンが「time to power(電力確保までの時間)」と呼ぶものが、AI成長の重大な制約になっている。

計算尺とタイプライター

電力網の進化は、ほぼあらゆる他業界で採用されてきた現代的技術を、大規模には取り込んでこなかった。停電時には、ほとんどの地域で今なお電話連絡が必要であり、運用者はしばしば手作業で電力を給電指令し、ピークをずらして利用可能な発電に合わせるために管理している需要もごく一部にとどまる。

データセンターの有無にかかわらず、電力網にはこの進化が必要だった。電力網の近代化が先手を打って行われなかったために、いま起きているのは、より広範な計画に基づくものではなく、1つの産業の切迫感に突き動かされた反応的な駆け込み対応である。

不均一な地盤

データセンターは、地域社会が吸収できるよりも速いペースで、電力網全体に見直しを迫っている。その反応的な姿勢は、人々と地域社会を不安にさせる。電力網は社会のあらゆる側面を支えており、この移行が必ずしもすべての人に公平に届くとは限らない。データセンター需要は、すでに負荷のかかった電力網に圧力をかけ、価格を押し上げ、停電の可能性を高める。建設拡大はまた、水資源や土地利用、ディーゼル発電機による汚染、公平性をめぐる懸念も引き起こしている。ブームの大半を、限られた地域社会が引き受けているためだ。

テキサス州のグレッグ・アボット知事は今週、データセンターが求めるすべての許可を停止するようTCEQに指示した。これは、2026年に一時停止法案を提出した他の16州に加わる動きである。世界的にも同様の動きが見られる。デンマークの送電網運用者は5月、プロジェクト申請が60ギガワットに達したことを受け、全国で新規データセンター接続を一時停止した。これはピーク需要のおよそ8倍であり、この動きが各地でいかに速く電力網の容量を上回りつつあるかを示す鮮烈な兆候である。

データセンターは電力網に進化を迫っている。集中型ではなく分散型へ、純粋に機械的な仕組みではなくソフトウェア主導へ、需要に追随して発電を増やすのではなく、需要を柔軟に動かせるように構築する方向へ。回転ダイヤル式電話よりも、スマートフォンに近い姿である。そしてスマートフォンと同じように、未来の電力網はエジソンには見分けがつかないものになるかもしれない。それこそが、どの単一技術よりも、データセンターが動かし始めたものの大きさを測る尺度である。

(forbes.com 原文)

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