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AI

2026.10.06 12:00

「男性型」のAIは「女性型」よりも高い報酬が支払われる傾向、最新調査

stock.adobe.com

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アイルランドのリムリック大学が行った実験により、「男性」として提示されたAIアシスタントは「女性」として提示された場合と比べ、10.25%高い報酬が支払われる傾向にあることが分かった。これらのAIはまったく同じ基盤技術を用いて同じタスクを遂行していた。この研究は、人間の性別に対する偏見がAIとのやり取りにも持ち込まれる可能性を示唆している。

参加者189人がVRオフィスでAIと共同作業

研究チームは、仮想現実(VR)のオフィス空間に189人の被験者を配置し、男性型や女性型など様々なタイプのAIアシスタントと共同で作業を行わせた。そしてタスク完了後、被験者に金銭を与え、自身とAIの両方に報酬を支払うよう指示した。

その結果、女性型AIエージェントの「ジョアンナ」に支払われた金額は、男性型の「ジョナ」よりも10.25%少なかった。これらはまったく同じ技術を使い、同じ作業をこなしていたにもかかわらずだ。

また被験者は、ジョアンナよりもジョナのほうを「より人間らしい」と評価した。さらに、テキストベースのチャットボットや卓上ロボットと作業した場合と比較して、人間らしいAIアシスタントに対してより高い信頼を寄せ、より多くの報酬を支払う傾向が見られた。

「性別は気にしない」と回答していても、実際の報酬配分に差

多くの被験者は、AIアシスタントの性別は気にしないと回答し、明らかに人間ではないと分かるAIを好むと述べていた。しかし実際の行動としては、女性型や非人間型のAIよりも、人間らしいAIや男性型のAIに対してより高い報酬を与えていた。

AIエージェントが同僚や共同作業者として職場に導入されるケースが増えている現在、今回の発見は極めて重要なものだと研究チームは指摘する。AIの外見や振る舞いが、人間からの信頼度や、認識される貢献度、そして実際の報酬額に直接影響を与えることが示唆されたためだ。

AIの外見や性別で信頼や「不気味さ」の感じ方も変わる

この研究は、AIに人間らしい特性が与えられると、人は必ずしもそれを中立的なツールとして扱わなくなることを示す先行研究に基づいている。専門誌『Journal of Organizational Behavior』に掲載された研究(2025年)では、人は人間らしいAIエージェントに対して初期の段階からより高い信頼を置き、進んで協働しようとすることが分かっている。

同研究では第2弾の調査として性別と気質の要素も導入しており、温和な性格の男性型AIエージェントは「性別に関する固定観念に当てはまらないため、不気味だと感じられる度合いが高かった」一方、女性型エージェントの不気味さは最も低く評価された。しかし第3弾の調査では、温和な男性型エージェントが性別の固定観念に反しているにもかかわらず、不気味さの評価は最も低くなった。

今回の新たな研究はこれらの知見を土台とし、特定のAIを信頼するか、あるいは好むかという単純なアンケートにとどまらず、実際の「報酬の支払い」という行動要素を導入したものだ。

論文の共著者であるメアリー・ハウスフェルド博士は、「私たちはAIを中立的なものだと考えがちだ。しかし、システムをどのように設計し、提示するかによって、そこには人間同士のコミュニケーションに存在するのと同じ思い込みや偏見が生まれる可能性がある」と述べている。

(forbes.com原文)

翻訳=江津拓哉

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