米国時間10月5日午前、イーロン・マスクの推定資産額が再び1兆ドル(約160兆円)を突破した。株式市場の取引開始後にスペースXとテスラの株価が上昇したためだ。彼が「トリリオネア(資産額1兆ドル以上の大富豪)」の地位を取り戻すのは、今年6月に初めてその記録を達成して以来のこととなる。
SpaceXとテスラの株高でマスクの純資産は約160兆円に
フォーブスの推計によると、10月5日時点におけるマスクの資産額は1兆ドルで、前営業日の10月2日から306億ドル(約4兆9000億円)増加した。
この資産急増により、マスクは世界一の富豪としての地位を盤石なものにした。2位にはアマゾン創業者のジェフ・ベゾスがつけているが、その推定資産額は3715億ドル(約59兆4400億円)と大きな差がある。
マスクは今年6月、スペースXがナスダックに上場したことを受けて世界初のトリリオネアとなった。しかし、その数日後にスペースXとテスラの株価が下落し、その地位を失っていた。
ここ数日、スペースXとテスラの株価が反発するなかで、彼の資産額は再び1兆ドルの大台に近づいていた。先週にはテスラの第3四半期の納車台数がアナリストの予想を上回り、10月2日だけでマスクの資産は610億ドル(約9兆7600億円)増加していた。
10月5日午前、テスラの株価は1%以上高と続騰した。さらにスペースXの株価はより大きく伸び、同日午前には約5%高の167ドルをつけ、マスクに再びトリリオネアの称号をもたらした。
スペースXの株価上昇の背景には複数の要因がある。モルガン・スタンレーのアナリストが同社株の割安感を指摘したほか、先週には大型宇宙船「スターシップ」が初の軌道打ち上げに成功した。また、ドナルド・トランプ大統領がAIを今後「超知能(SI、スーパー・インテリジェンス)」と呼ぶべきだと主張したことを受け、マスクが10月4日に自社のAI部門の名称変更を示唆したことも材料視されている。
トランプ政権はAIを「超知能」と呼ぶ方針、マスクも同調
先週、トランプ大統領がホワイトハウスでAIに関する新たな「合意文書」を発表した際、マスクは他のAI業界のリーダーらとともにその場に同席していた。この文書は責任あるAI開発に向けた指針を示しているが、トランプ自身が「道義的な拘束力にとどまる」と述べている通り、約300語の文面には具体的な規制や強力な歯止めは盛り込まれていない。
またトランプは先週、政府内でAIをSIと呼ぶよう命じる大統領令にも署名した。マスクはこれを支持し、10月4日に自身のXで「もうAIではない。SIのほうがいい」と投稿。チャットボット「Grok」を開発するスペースXの子会社「SpaceXAI」を「SpaceXSI」に改名すると宣言した。ただし、10月5日午前の時点で正式な社名変更の手続きが進められている様子はない。



