すべてを物語る87%の売上総利益率
マイクロンの調整後売上総利益率は、前四半期の84.9%から87%へと上昇した。1年前は45.7%だった。この変化が、利益の驚異的な増加の大部分を説明している。同時に、製造業者としてはこれ以上利益率が上がれば非現実的に見え始めるほど、改善の余地がほとんど残されていないことも意味している。
経営陣による第1四半期の業績見通しがその点を裏付けている。売上高は約13%増加すると予想されているが、売上総利益率は86.25%に低下する見込みだ。
75ベーシスポイント(0.75%)の低下は、マイクロンがサイクルの頂点に達したことを証明するものではない。製品構成、立ち上げ費用、出荷時期などによって、この数値は四半期ごとに変動し得る。筆者なら、この変化だけで大きな投資判断を下すことはしない。
より興味深いのは、そこに関わる金額の大きさだ。四半期売上高が615億ドルの規模になると、売上総利益率の1パーセントポイントの変動は、約6億1500万ドル(約970億円)の売上総利益に相当する。したがって、87%と86.25%の差は、単一の四半期だけでおよそ4億6000万ドル(約725億円)の価値があることになる。
仮に売上総利益率が最終的に5パーセントポイント低下すれば、マイクロンは四半期あたり30億ドル(約4730億円)以上の売上総利益を失うことになる。利益率が82%であっても同社は依然として極めて高い収益性を維持できるが、その場合、利益、キャッシュフロー、そして企業評価の様相は、現在とはまったく異なるものになるだろう。
クラウド・メモリ部門は、この問題の初期の事例を示している。売上高は増加したものの、同部門の売上総利益率は83%にとどまり、営業利益率は78%から76%へと低下した。AIインフラ向けに販売するメモリを増やしても、マイクロンが手元に残す売上高の割合がさらに上昇することはなかったのだ。
これこそが、87%という数値が重要である理由だ。これは差し迫った問題の予測というより、現在の損益計算書にどれほど多くの好材料がすでに織り込まれているかを示す指標なのである。
また、87%の利益率は、その利益の分け前を求める動きを生み出す。従業員はより高い報酬を求め、サプライヤーはより有利な価格設定を求めるだろう。政府は国内での生産拠点の建設を求め、前受金を支払う顧客は供給の保証と有利な契約条件を期待する。サムスン電子やSKハイニックスも同じ事業環境を目にしており、投資を行う強力な動機を持っている。マイクロンが供給不足による利益を独占し続けることはできないのだ。


