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経済・社会

2026.10.08 10:30

中国の特許出願は約180万件で米国の3倍超、米中の知財対立は安全保障の争いへ形を変えた

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米通商代表部(USTR)が、通商法301条(外国の不公正な貿易慣行に対抗措置をとるための規定)に基づく新たな調査を始めたのは、米国時間2025年10月24日のことだ。この2026年10月で、ちょうど1年になる。調べているのは、2020年に米中が結んだ「第1段階」の貿易合意で、中国が知的財産権の保護や技術移転の強要の禁止などについて交わした約束を守ってきたかどうかである。

知的財産をめぐる争いが、関税というより大きな話題の陰に隠れて下火になったと思っていた人にとって、この調査は、争いが少しも終わっていなかったことを思い出させるものである。攻防は、海賊版が中心だった1990年代の争いから、知的財産と安全保障の区別があいまいになった争いへと、形を変えただけなのだ。

中国の知財侵害は、シンガポール元外相が言うように「おのずと解決する問題」なのか

その変化を鋭く言い表したものの1つが、シンガポール元外相ジョージ・ヨーの発言である。米国とアジアの相互理解を目指す非営利団体アジア・ソサエティが、2024年6月にニューヨークで開いた対談で、米国が容認できないとみなす中国の行動に、どう対処すべきかと問われたヨーは、1990年代の逸話で答えた。シンガポールの情報芸術相だった当時、ヨーはディズニーに、中国の海賊版業者は事実上、ディズニーの将来の市場を育てているのだと伝えたという。そして今、ディズニーは中国で正規のロイヤルティーを満額受け取っているとヨーは語った。知的財産は「おのずと解決する問題です」というのが、ヨーの結論だった。

ファーウェイ1社を締め出しても、危険がなくなるわけではない

その5年前の2019年3月、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストのインタビューで、ヨーはファーウェイ(華為技術)について、これに通じる議論をしていた。5G通信網を通じて外国の諜報活動にさらされることを心配するのはもっともだが、供給業者を1社締め出したところで、その危険がなくなるわけではないというものだ。この2つの発言は、あわせて読むと意味が見えてくる。米政府がしばしば一緒くたにしている議論を、切り分けているからだ。

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翻訳=酒匂寛

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