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2026.10.05 09:15

12年ぶり安値のナイキ株は買いか、バリュー投資家が見落とす本質

Robert - stock.adobe.com

製品パイプラインは、1つや2つの人気シューズだけで判断することはできない。ナイキの年間売上高は400億ドル(約6兆3100億円)を超えている。ランニング部門が改善したとしても、スポーツウェア、ジョーダン、コンバース、そして中国市場における低迷を補うには規模が不十分かもしれない。

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ナイキが課題を解決しようとしている間も、競合他社は立ち止まってはいない。オン、ホカ、アディダス、ニューバランス、および中国の新興企業などは、毎年少しずつシェアを奪っていくだけでよい。ナイキの存在を完全に置き換える必要はないのだ。

サッカーフランス代表のキリアン・エムバペ選手がナイキからスイスのOn(オン)へ契約変更したことは、ブランド認知度に関するどんな調査よりも雄弁に物語っている。筆者は『ナイキ株、エムバペのOn移籍でダウ構成銘柄の座を失う可能性』の中で、ダウ構成銘柄から除外される可能性よりも、このアスリートを失うことのほうが重要であると論じた。ダウ平均株価は過去の業績を反映する。しかしエムバペは、将来的に自分がどの企業をパートナーとして共に歩むべきかを決断したのだ。

コーポレート・ガバナンス(企業統治)もまた、投資の判断を難しくさせている。議決権が制限された種類株式(二重株式)構造により、一般株主には改革を強制する権限がほとんど残されていない。この企業のターンアラウンドに投資する者は、その実現を経営陣と支配株主に委ねることになる。

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経営陣らはまさにそれを実行するかもしれない。ナイキには、ほとんどの競合他社が切望するほどの圧倒的な財務力と優位性が依然として備わっている。筆者にも株価の上昇シナリオは見える。

同時に、バリュー投資家がいかにして身動きが取れなくなるかも理解できる。ブランドは著名であり、株価チャートは売られすぎを示しており、マージンが「いずれ」回復すればビジネスモデルは機能する、という構図だ。しかし、「いずれ」が先送りされ続ける中で、何年もの歳月が経過することがある。筆者はナイキ株が投資対象となるために、ターンアラウンドの完了を求めているわけではない。その段階になれば、おそらく株価はすでに大幅に上昇しているだろう。筆者が求めているのは、株価下落の原因そのものが変わり始めているという、何らかの証拠である。

ナイキの株価は、急落したからこそ割安に見える。しかし、それが本当の「価値」を持つのは、顧客が戻り、製品が定価で売れ、ビジネスが再びその市場での存在感を取り戻し始めたときである。前者(株価の急落)を示す証拠は十分に揃っている。しかし、後者(存在感の回復)の証拠は未だ欠けたままだ。

(forbes.com 原文)

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