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2026.10.05 09:15

12年ぶり安値のナイキ株は買いか、バリュー投資家が見落とす本質

Robert - stock.adobe.com

ピーク時のナイキの株価は、成長、高いマージン、デジタル戦略の成功、そして中国市場での持続的な強さを前提に織り込まれていた。それらの前提条件は崩れ去った。現在の株価の上昇余地を測る際、過去の株価を基準にするアプローチが有効なのは、かつてのビジネスが復活する場合のみである。復活するかもしれないが、それを前提条件としてスタートすることはできない。

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また、投資家はほぼあらゆる場所に都合の良い根拠を見出すことができる。優れたランニングシューズが登場すればイノベーションの復活を意味し、北米事業の数値が改善すればターンアラウンドの開始を意味し、インサイダーの買い増しは株価が過小評価されていることを意味する、といった具合だ。

一方、期待外れの数字については、それぞれ別に説明される。中国にはもっと時間が必要だ。デジタルはリセット中だ。スポーツウェアには旧商品が多すぎる。卸売り関係はまだ修復中だ。しばらくすると、投資判断の根拠にはあまりに多くの調整が含まれ、もはや事業を分析しているのではなく、その考えを擁護しているだけになる。

これこそが、バリュー株の罠(バリュートラップ)が形成される典型的なプロセスである。罠は「私は罠です」という看板を掲げて現れるわけではない。解決可能な問題を抱えた、まともな企業のように見えるのだ。株価が下落するたびにその株は割安に見えるようになるが、同時に本質的価値の予測もまた低下し続けていく。

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変化を迫られる伝統的なバリュー投資

筆者はバリュー投資が死んだとは思っていない。しかし、低いマルチプルだけで始まって終わるような手法は限界に達していると考えている。今や誰もが数値データを入手できる。過去のマルチプルを下回って取引されている銘柄など、誰にでも見つけられる。もしそれだけが優位性(エッジ)であるならば、安価なスクリーニングサービスだけで十分事足りるはずだ。

バフェットの実績はなお並外れている。バークシャー・ハサウェイは1965年から2025年まで年率約19.7%で複利成長した。配当込みのS&P 500は10.5%だった。しかし彼は60年間、同じスクリーニングを続けていたわけではない。見捨てられた資産を買い漁る手法から、強力なビジネスモデル、ブランド力、そして長期的な再投資機会を持つ企業を保有する手法へと転換したのだ。

バークシャーの規模が拡大し、手元資金が積み上がるにつれて、その相対的な優位性さえも狭まった。これはバフェットの功績を損なうものではない。周囲の環境が変化したときに、過去の優位性を維持し続けることがいかに困難であるかを示している。

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