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2026.10.05 08:13

AI導入は進む、だが「責任の所在」は追いついていない

Adobe Stock

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前四半期、ある企業との電話会議に参加していた。その会社は、生成AIツールを全社のあらゆる部門に一斉導入したばかりだった。CEOは会議の冒頭で、導入率がいかに素晴らしいかを語った。最初の1カ月で従業員の90%がログインしたという。彼の話しぶりは、かつて人々が新しい顧客関係管理(CRM)プラットフォームの導入について語っていたときのようだった。

その20分後、法務チームの1人が、ほとんどついでのように、従業員が実際にそのツールへ何を入力しているのか把握している人はいるのかと尋ねた。その場にいた誰も答えを持っていなかった。

その瞬間が印象に残っている。というのも、その後、私は十数社でこれと似た光景を目にしてきたからだ。経営陣はAIツールを迅速に展開することには非常に長けてきている。だが、それらのツールを何に使うべきで、何に使うべきでないのかを意図的に決めることには長けていない。この2つの間にあるギャップこそ、リスクの大半が静かに積み上がっている場所である。

私はビジネスの収益側に身を置いている。つまり、週の多くを、他社がどのように購入を決めるのか、何を懸念しているのか、案件承認の進み方がどう変わったのかについて話すことに費やしている。2年前、社内でのAI利用について私に尋ねる人はほとんどいなかった。今では絶えず話題に上る。しかも、それはIT部門からではない。調達チームや法務から、時には顧客自身の顧客から出てくる。彼らは以前よりも厳しい質問を投げかけている。

興味深いのは、懸念の中心が実はAIそのものではないという点だ。それは「決定の不在」についての懸念だ。ほとんどの経営チームは、どのツールを承認したか正確に教えてくれる。しかし、その「承認済み」が実務上何を意味するのかを答えられる人はほぼいない。顧客との契約書をチャットボットに貼り付け、要約させてもよいのか。従業員の給与情報が入ったスプレッドシートを貼り付け、形式を整えさせるのはどうか。同じ経営チームの5人に尋ねれば、たいてい5通りの答えが返ってくる。

問題の一部は、導入の測定方法にある。ログイン数や利用ダッシュボードは報告しやすいため、進捗の代用指標として使われてしまう。だが、それは人々が何かを使っているということを示すだけで、使い方について誰かが考え抜いたことを示すわけではない。私はこれまで十分な数の会議に出席してきたから分かるが、「利用が増えている」と言えば拍手が起こり、「ポリシーはまだ決めていない」と言えば気まずい沈黙が流れる。だから、2つ目の議論は常に先延ばしにされ、1つ目が優先される。

これは、スピードを落とすべきだとか、慎重であること自体を目的にすべきだという主張ではない。現在先行している企業は、慎重に動いている企業ではない。スピードに加え、多くのチームがいまだに見落としているごく基本的ないくつかの習慣を組み合わせている企業である。AIツールの使い方に関する意思決定について、肩書きだけでなく、実際に質問を受ける人物として、特定の誰かが責任を持っている。

「このツールに何を入れてよいのか」という問いに対する、短く平易な答えが、人々が実際に見つけられる場所に書かれている。そして誰かが四半期ごとにその答えを見直している。なぜなら、ツールも人々の使い方も、5カ月前に書かれたどんなポリシーより速く変化し続けているからだ。

これは聞こえるほどの大仕事ではない。タスクフォースも新部門も必要ない。たいていは、1人か2人が、顧客や規制当局が先に尋ねてくる前に、不都合な質問をするのが自分の仕事だと決めることが必要なだけだ。

答えはツールを禁止することでも、導入を極端に遅らせることでもないと私は考えている。スピードは今なお優位性であり、AIから完全に距離を置こうとしている企業は、おそらく1年後、自社の取締役会との間でより厳しい対話を強いられるだろう。だが、その背後に意思決定者のいないスピードは、実のところ戦略ではない。それは単なる勢いであり、勢いはいずれ何かにぶつかる。

今、私が最も尊敬する経営陣は、導入率が最も高い企業ではない。自社のAI利用についての基本的な質問に、3人が互いに顔を見合わせることなく答えられる企業である。それは高いハードルではない。だが、ほとんどの企業はまだ越えられていない。早い段階でそのハードルを越える方法を見つけた企業は、従業員から、顧客から、そしていずれは取締役会で質問を投げかける誰かから、信頼を得やすくなるだろう。

(forbes.com 原文)

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