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AI

2026.10.11 13:00

米国で「嫌われ者」のAIデータセンター、ビットコインに続きアフリカ僻地の電気代を下げるか

stock.adobe.com

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インターネットや人工知能(AI)を支えるデータセンターの建設をめぐり、全米各地で反対運動が巻き起こっている。近隣住民は、高密度のコンピューターを収容する巨大施設が地域の電力網への負担となり、電気料金を押し上げることを懸念している。

だが、その高密度のコンピューターがアフリカの僻地では「真逆の効果」を生むかもしれない。これまで電気が通ったことのない村々に電力を供給する一助となり得るのだ。

ロックフェラー財団系が実験を開始、計算処理を売った収入でアフリカの村に電気を通す

米ロックフェラー財団傘下の慈善団体が9月末に立ち上げた新プロジェクト「Emergent Grid(エマージェント・グリッド)」は、こうした考え方に基づいている。情報やデータを処理する「コンピューティング能力」(計算処理能力)を販売することによって、アフリカの小規模な地域電力システムの運営費を賄い、電気をより安く、より安定的に供給できるかどうかを検証する。

AIチャットボットに誰かが質問をするたびに、世界のどこかに設置されたコンピューターが回答を生成する。テクノロジー業界では、この処理を「コンピュート」と呼ぶ。こうした処理の多くは、電気とインターネット接続さえあればどこでも行うことができる。たとえば、ケニアの農村にある太陽光発電施設の隣に設置した車1台が入る程度の大きさの輸送用コンテナでも、その中にコンピューターを並べれば可能だ。

このとき、村で発電された電気は、村の外に送られることはない。チャットボットの回答はインターネットを通じて送信され、その対価が村に還元される。

コンピューター所有企業が村で使い道のない電力を買い取り、住民が使うときは一時停止

仕組みはこうだ。AIを利用する顧客がコンピューターを所有する企業に代金を支払い、企業は使用した電力の代金を村の電力供給業者に支払う。電力供給業者は余剰電力から安定した収入を得られ、その収益を設備の稼働維持や送電網の拡大に振り分けて、より多くの家庭に、より安価な電気を届けられるようになる。村人が電力を必要とする時、コンピューターの稼働は一時停止する。

AIは村人より高値で電力を買わずに済むか、これまでの成功例はビットコイン採掘だけ

ただし、課題もある。この仕組みは有効だが、これまでそれを実証してきたのはAIではなく、仮想通貨のビットコインだ。米国では、データセンターが電力調達において他を圧倒する高値を提示できるため、反感を買っている。そのような事態はアフリカの村々では起こらないということを新プロジェクトでは実証しなければならない。

「コンピューティングは、地理的な制約を受けない『最後の買い手』となり得る」と語るのは、アフリカの僻地で小規模発電施設を利用した分散型データセンターを展開して4年目のスタートアップ、Gridless(グリッドレス)のエリック・ハースマンだ。平たく言えば、コンピューターはどこへでも設置でき、誰にも必要とされていない余剰電力を丸ごと買い取れるということである。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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