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2026.10.04 11:16

譲れない一線はどこか——利益とパーパスの衝突に向き合うリーダーシップ

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すべてが順調に進んでいるときにパーパス(存在意義)を語るのは容易である。本当に試されるのは、大きな金額が絡むとき、あるいは不評を買う決断を下さなければならないときだ。

ビジネスの中心に人間性を据えることは、利益を無視することを意味しない。会社を興し、人々を雇用し、他者を助けるには資金が必要だ。しかし、私の信念はいくらお金を積まれても売り渡すことはできない。

企業の価値観は、何を最適化するのか、どの機会を追求するのか、何から手を引く覚悟があるのかを決めるものであるべきだ。

ミッションを意思決定のフィルターにする

ミッションに意味があるのは、それが実際の意思決定を変えるときだけである。ヘリオスでは、プロジェクトを見て「最大でどれだけの利益率を引き出せるか」とは問わない。私たちはデベロッパーに対し、どこで実際にコストを下げられるのかを示す。誠実に生計を立て、公正な利益を得るつもりだが、利益率の最大化が私たちを動かしているわけではない。

私の原動力は、従来は受動的だった建築物の外皮(外壁や屋根)という存在を、人々に設計や施工の方法を根本から変えるよう要求することなく、生産的なものに変えることだ。

世界に、エネルギーを必要としない文明や共同体は存在しない。神は毎日、私たちの頭上に途方もない量のエネルギーを置いている。私たちの仕事は、そのより多くをどう活用するかを見つけることだ。

通りの片側にあるCVS(ドラッグストア)、反対側のウォルグリーン、集合住宅、空港、データセンター。誰もがエネルギーを必要としている。これは、特定の一部の人々のために設計された製品ではない。

リーダーは、大きなミッションを実践的な意思決定に落とし込めなければならない。ミッションが、何を優先するか、どう収益を上げるか、どの機会を受け入れるかに影響していないなら、それは事業を導いているとはいえない。

譲れない一線は、試される前に決めておく

当社の特許がまだ出願中だった頃、独占権と引き換えに1億5000万ドル(約237億円)を提示されたとき、このミッションが試された。決断する前に、私はその技術をどう使うつもりなのかを尋ねた。答えは、要するに自社の顧客のためだけに囲い込むというものだった。

私は断った。

電話会議に参加していたある人物は、一族を何代にもわたって養えるほどの富を棒に振る気か、と言った。私の考えは、太陽はある一社の顧客のためだけに創られたわけではない、というものだった。ヘリオスの目的が建物のエネルギー生成方法を変えることであるなら、独占権を売ることは、そもそも私がこの会社を立ち上げた理由と矛盾していた。

だからといって、私たちが製品を無償で提供しているわけではない。私たちは間違いなく、利益を生む会社を築いている。しかし、取引が相互の利益ではなく強欲によって支配されるようになったときには、デベロッパーとの関係から手を引いたこともある。

利益はビジネスを育てるが、強欲はビジネスを滅ぼす。誰かがそれを買い取ろうと持ちかける前に、自分にとって譲れない一線が何かを知っておくべきだ。

人間性を捨てずに、説明責任を求める

人間中心のリーダーシップは、難しい決断を避けることと混同されるべきではない。以前、私には約7年間一緒に働き、バックオフィスの重要な部分を担っていた個人アシスタントがいた。私は、彼女が必要なデューデリジェンスを行わずにサプライヤーの請求書を承認していたことを発見した。約6カ月の間に、当社はあるサプライヤーに約45万ドル(約7100万円)を過払いしていた。

私は即座に彼女を解雇した。だが、その失敗は私のものでもあった。

父は私に、事業を所有したいなら、その事業のあらゆる部分を理解する必要があると教えた。人に仕事を任せることはできる。しかし、その仕事を自分に代わって理解してもらうことまで、他人に頼ることはできない。

単にハンコを押すだけの管理体制は、管理とは呼べない。私たちは牽制機能を再構築し、バックエンドの運営方法を変更した。

私にとって厳格であるとは、自分自身を含めて人々に説明責任を求め、不快だからといって難しい決断を先送りにするのではなく、問題を発見した時点で対処することを意味する。

説明責任は双方向に働くべきだ。誰かが失敗したとき、リーダーは、自分たちのシステムや統制が何を許してしまったのかも問うべきである。

悪い知らせが上に届く文化をつくる

同じ原則は、チームづくりにも当てはまる。人々が私に異議を唱えないのであれば、私の周りにいてもらう必要はない。

誰も、すべてを自分一人で行うことはできない。子どもを育てるには村全体が必要であり、会社をつくるにも村全体が必要である。エンジニア、コンサルタント、アドバイザー、事業開発、製造パートナー。誰もが発言権を持つ必要がある。そうでなければ、彼らをテーブルに着かせる意味はない。

当社の親しい製造パートナーの1社が、以前、私に直接電話をかけてきて、私が信頼している人物について私が間違っていると告げた。私が同席していない会議において、私の代理として振る舞うべき人物としてまったくふさわしくない行動を、彼らは目撃していたのだ。

私は防御的になることもできた。しかしそうはせず、彼らの指摘を真摯に受け止め、自ら調査し、彼らが正しいことに気づいた。私は見方を変え、その従業員を解雇した。

本当の学びは、その関係に何が起きたかにあった。彼らは、難しいことを私に伝えても、私が伝令を罰するのではなく耳を傾けると知ったのだ。

リーダーはしばしば、率直なフィードバックが欲しいと言う。重要なのは、それを受け取ったときに何が起きるかである。上司に異議を唱えることで防御的な反応が返ってくるなら、人々はいずれ問題を持ち込まなくなる。

事実をもって私に異議を唱えるなら、私は耳を傾ける。私が間違っていれば、考えを変える。

事業が存在すべき理由を人々に示す

創業者への私の助言は明快だ。揺るぎないミッションが必要である。基礎がなければ、建物は建てられない。ミッションがなければ、本当の意味で事業を築いているとはいえない。仮説や機会はあるかもしれないが、それは別物である。

ミッションは具体的でなければならない。何を築いているのか、なぜそれが存在すべきなのか、何を違うやり方で行っているのかを、正確に理解している必要がある。ほかの誰もが作っているのとまったく同じピザを作るために、もう1軒ピザ店を開くのだとしたら、なぜそれを開くのか。

あらゆる業界のリーダーは、次の問いに答えられるべきだ。「収益を生み出すことを超えて、なぜあなたの事業は存在する必要があるのか」。存在する必要のあるものを築くべきである。なぜそれを築いているのかを知るべきである。それによって収益を上げるべきである。だが、利益とパーパスが衝突したときは、基礎に立ち返るべきだ。

その資金を得るためにミッションを捨てなければならないのなら、答えはすでに出ている。

(forbes.com 原文)

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