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2026.10.05 09:30

日本の海外資産1806兆円、国債から株式へ移る資金が世界市場を動かす

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GPIFは海外資産と株式へ分散し、長期の運用収益を狙う

2025年4月から適用された基本ポートフォリオでは、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式へ25%ずつ配分する。外国資産が全体の半分、株式も半分を占める。この資産配分は、国内債券へ大きく依存していた1世代前の日本とは大きく異なる。

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収益重視へ向かう背景には、必要性もある。日本では高齢化が進み、年金給付の負担と政府債務が大きいため、長期的に持続可能な運用収益を確保する重要性が増している。国内金利が極めて低い状態が長く続いたことで、機関投資家は従来の国債中心の運用から投資先を広げた。GPIFも国内債券へ過度に依存せず、外国債券、外国株式、オルタナティブ資産へ分散してきた。オルタナティブ資産とは、上場株式や債券以外の投資対象を指す。

海外分散によって、日本の人々が蓄えた資金は、国内だけでは得にくい経済成長の恩恵を受けられる。米国のテクノロジー企業、欧州の多国籍企業、新興国企業の成長が、結果的に日本の年金収益にも寄与する。GPIFもオルタナティブ資産へ資金を振り向けている。対象はインフラ、プライベート・エクイティ、不動産で、2024年度末の時価総額は約4兆1877億円(285億ドル)だった。

オルタナティブ資産はGPIF全体ではまだ小さいが、方向性は明確だ。日本の対外資産は、機関投資家による国際分散と収益重視の運用へ比重を移している。日本の運用変化は米国にも重要である。中央銀行が持つ従来型の準備資産は流動性の高い国債を選びやすいが、年金基金などの機関投資家はより幅広いリスク資産へ投資できる。

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日本の資金は米国債だけでなく米企業へ向かう

今後海外へ投じられる100兆円(6800億ドル)は、過去の100兆円とは大きく異なる動きをする可能性がある。GPIFの外国株式運用では、幅広い世界株式指数をベンチマークに使う。主要なベンチマークの1つは、日本を除く先進国・新興国の大型・中型株を幅広く対象にするMSCI ACWI(除く日本)だ。日本の年金資金を世界の主要上場企業へ広く配分する基準となる。

世界の株式市場では米国の影響力が大きい。ここに「脱ドル」を巡る逆説がある。政府が従来型の外貨準備でドル建て国債の比率を下げても、年金基金、銀行、保険会社などが米企業への投資を同時に増やすことはできる。

準備資産としてドルの比率が低下しても、投資先として米国の吸引力が弱まるとは限らない。外貨準備と企業投資の違いは米政府にとって重要だ。従来は米政府の資金調達へ圧倒的に多く流れていた外国資本が、米企業へ流れる割合を高める可能性がある。ただし、より高い収益機会を求める運用には、別のリスクも伴う。

リスク資産への移行で世界市場との連動が強まる可能性

国債価格も変動するが、信用力の高い国債は一般に流動性が高く、元本の保全を重視する運用に向く。株式、未公開企業、不動産、インフラは金融危機時に異なる値動きをする。国富を株式や未公開企業、不動産、インフラなどのリスク資産へ多く移せば、好況時に高い収益を得られる可能性がある半面、国全体の資産構成は世界的な市場循環の影響を受けやすくなる。

日本は、投資家なら誰もが直面する資産配分の課題を国家規模で抱える。海外へ地域分散すること自体は合理的だが、地域を分けてもリスクまで分散できるとは限らない。日本の年金、保険会社、銀行が、世界の機関投資家と同じ米テクノロジー企業や公開市場で取引されない資産、世界の社債などへの投資を増やせば、保有資産は似通っていく。分散したはずの対外資産が、想定以上に同じ方向へ動く恐れがある。

GPIFの外国債券運用も、国債だけに限られない。信用力が比較的高い投資適格社債、新興国債券、信用力が低い分、利回りの高いハイイールド債を基準にした運用まで対象になり得る。外国債券の投資対象が国債以外へ広がる点は、日本の金融運用の転換を示す、より大きな変化かもしれない。

かつて日本は、主に不安定な状況から自国を守るため海外資産を蓄積した。海外資産を保有する目的は、将来の資金を賄うための収益確保へ移りつつある。日本は世界最大級の債権国であるだけでなく、世界市場に大きな影響を与える投資家になった。

(forbes.com 原文)

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