ナイキ株が証明すべきこと
11月に予定されているナイキのインベスター・デー(投資家説明会)は極めて重要になった。筆者が注目するのは、25億ドル(約3940億円)の削減が具体的にどこから生み出されるのか、そのうちどれだけが再投資されるのか、そして経営陣が頑なに削減を拒むものは何かという点だ。
また、筆者は売上高の全体的な改善を回復の証拠として受け入れるのではなく、定価での販売状況を注視する。卸売の出荷を増やせば、小売業者が製品を消費者に販売する前に、ナイキは売上高の改善を報告できる。割引販売を行えば、ブランドを再建することなく在庫を一掃できる。また、物流コストの低下は、需要を改善させることなく粗利益率を押し上げることができるからだ。
当四半期末の在庫は78億ドル(約1兆2300億円)で、3%減少した。これは管理可能な水準だが、在庫金額の残高だけでなく、在庫の数量、製品の経過期間、および定価で販売された割合の方が、より多くのことを教えてくれる。
中国市場には、独自の数値化可能な目標が必要だ。流通の引き締めが一時的な売上減少を意味するのであれば、経営陣はそれと引き換えに投資家が何を得られるのかを証明しなければならない。例えば、定価販売の増加、より健全な在庫水準、ブランド評価の向上、現地生産製品のさらなる成功などだ。そうでなければ、この再建策は機能しているかどうかもわからないまま、何年も引きずる可能性がある。
筆者は依然として、ナイキ株は回復し得ると考えている。ブランド価値は非常に大きく、バランスシートには時間的猶予があり、同社のグローバルな規模は競合他社が再現することはほぼ不可能だ。しかし、そのどれもが「Pace」プログラムが正解であることを保証するものではない。ナイキは当初、より優れた製品とスポーツへの回帰を約束してこの再建に着手した。それが今や、コスト削減と組織の縮小を約束している。これらの削減資金が、人々が欲しがる製品の開発に充てられるのであれば、ナイキ株はついに投資家が測定可能な回復の軌道に乗るかもしれない。もし売上高が減少し続けるようであれば、25億ドル(約3940億円)という数字は復活のためのコストではなく、撤退戦を管理するための代償のように見えてくるだろう。


