働き方

2026.10.04 09:23

新しい反論は、イネーブルメント部門が気づく前に現場が聞いている

Adobe Stock

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7月、私はチームのアウトバウンドコールの録音を一件ずつ確認し、見込み客から出されたあらゆる反論(オブジェクション)を書き留めていた。その中で、あるやり取りに目が留まった。人材育成・開発(L&D)担当のディレクターが、トゲのない丁寧な口調で、なぜこれをLLM(大規模言語モデル)のツールで代替できないのかと尋ねていたのだ。彼女のチームはすでにライセンスを保有しており、社内の誰かがプロンプトを使って簡易版を構築したという。弊社の営業担当者は、約40秒間にわたって話をはぐらかし、それから話題を変えた。

彼は優秀な営業担当者の一人だ。誰も彼に答えを教えていなかった。なぜなら、1年前には誰もそのような質問をしていなかったからだ。通話記録の全体を通しても、事前に準備された回答を用意していた者は一人もいなかった。弊社には反論への対応をまとめたプレイブック(手引書)があったが、そこに載っていたのは、それが作成された当時に一般的だった反論だけだった。

金融サービスやB2Bのエンタープライズ・ソフトウェア業界の人材育成リーダー、イネーブルメント・ディレクター、セールストレーニング・マネージャーたちと話をする中で、私は同じような話を何度も耳にしている。実際の顧客との会話の中で新たな疑問が出始めてから、チームがその回答方法についてのトレーニングを受けるまでに、多くの場合、丸一四半期(3カ月)が経過している。そして、そのタイムラグを測定している企業はほとんど存在しない。

遅くて古いタイムラインは今に始まったことではないが、もう通用しない

営業担当者は、その質問を初めて聞いたときには単発のものとして処理する。実際、その時点ではそうだからだ。数週間後に再び同じ質問を聞いても、彼女はやはり報告しない。2回ではパターンとは言えず、単なるノイズをわざわざ報告したくないからだ。5回目になってようやく、彼女はマネージャーにそのことを伝える。マネージャーも、他のメンバーも同じ質問を耳にしているかどうか様子を見るのが合理的だと判断する。その後、誰かが適切な回答を決定する(通常はプロダクト部門や法務部門を巻き込む)。それが文章化され、承認され、教育用コンテンツとして構築され、カレンダー上の他のあらゆる予定と競合するトレーニング・セッションに組み込まれる。

これらをすべて足し合わせると、8〜12週間になる。この連鎖の中で誰も悪いことはしていない。だからこそ、単に「もっと努力する」ことだけでは、このタイムラグを解決するのが非常に難しいのだ。

かつては、このタイムラインでも生き残ることができた。質問の変化のペースが十分に遅く、四半期ごとのサイクルでも追いつくことができたからだ。しかし、もはやそうではない。

現在、私が話をする顧客のほぼ全員が、Copilotのライセンスを持っていたり、社内用のプロンプト・ライブラリを構築していたり、同僚が週末に何かを作ったりしている。顧客が難色を示すポイントは数四半期ごとに変化するが、トレーニング用モジュールの構築には10年前と変わらないほどの時間がかかっている。以前は若手社員が手探りで新たな回答を試すことができた「リスクの低い商談」自体も減少しているため、最初の100回の不器用な試行錯誤を許容できる余地は少なくなっている。

空白は何かで埋まる。そして、それはたいてい間違っている

イネーブルメント(営業支援)部門からの回答を求めて、営業担当者が丸一四半期も黙っていることはない。担当者は即興で答え、その即興の答えはまたたく間に定着する。

その空白の期間に私のチームが何を話していたかを調査したところ、営業担当者間で会社の創業年数についての説明が矛盾していたり、資料のどこにも存在しないアカウントあたりの価格を提示していたりすることが判明した。彼らは不真面目な人間ではない。実際の顧客から直接的な質問を投げかけられたため、何かしら答えざるを得なかっただけなのだ。

公式な回答が用意されるころには、真っ白な状態からスタートできるわけではない。顧客の前で何度も実戦練習を重ねて、修正されることなく定着してしまった習慣を、上書きしなければならない。誤った学習をリセット(アンラーン)するのには、新しく学ぶよりも時間がかかる。それにもかかわらず、研修セッションは新規学習と同じようなものとして扱われてしまうのだ。

焦点を「作成」から「検知」にシフトする

リーダーたちは、ほぼ例外なく「作成」のプロセスの改善に乗り出す。コンテンツ作成の高速化、より優れたツールの導入、承認プロセスの合理化などだ。これらは多少の改善には役立つが、誰も取り組んでいないもう半分の課題、すなわち「検知」が手つかずのまま残されている。

私が最初に行う変更は、毎週のミーティングにおいて「今月、うまく答えられなかった質問は何ですか?」という質問を定番にすることだ。どのような反論があったかを聞くのではない。なぜなら、人間は自分がうまく対処できた反論を報告したがるからだ。明確に聞き出したいのは、彼らが「しどろもどろになったもの」についてである。

この方法は有効だが、誰かが気まずい瞬間を自発的に告白することに依存しているため、規模を拡大(スケール)することはできない。会話はすでに録音され、文字起こしされているのだから、記憶に頼るのではなく、記録を読む方がより持続可能なアプローチとなる。AIモデルを使えば、1週間分の文字起こしデータをスキャンし、営業担当者が言葉に詰まったり、話題を変えたり、追って連絡すると約束したりした箇所を検出し、誰かが声を上げる前にそれらをランク付けすることができる。そうなれば、検知は組織文化の課題ではなく、定期的に実行されるタスクになる。

素早い回答は、完璧な回答に勝る

「作成」のプロセスについても再考する価値がある。それはコンテンツの質を向上させる必要があるからではなく、もはや遅くある必要がないからだ。

フラグが立てられた瞬間こそが、解決策を生み出すための生の素材となる。文字起こしデータには、顧客自身の言葉による質問が残されている。回答の方向性が決まれば、そのやり取りをトレーニング用の素材に変換できる。チームはその週のうちに、記憶が新しいうちに練習し、フィードバックを得ることができる。トレーニングとフィードバックが、1四半期ではなく1日で済むようになれば、新たな反論が50回目に現れたときではなく、5回目に現れた時点で対処できるようになる。

ただし、留意すべき点もいくつかある。自動検知は、チームが対応しきれないほどの多くの課題(ギャップ)を浮き彫りにする。そして、誰も行動を起こさないランク付けされたリストは、リストが全くないよりも害悪だ。また、このように素早く作成された実践練習の質は、その背景にある回答の質に左右される。したがって、どのような回答が真に適切であるかという判断は、自動化せず、人間が行う作業として残さなければならない。

このプロセスを刷新することで、ボトルネックは「ギャップを見つけること」から、「今月はどの3つの課題に対処すべきかを決定すること」へと移行する。

問うべき質問

多くのイネーブルメントのリーダーは、自社のライブラリがいかに網羅的であるかを説明できる。しかし、その中にある最も新しいコンテンツがいつ作成されたものなのか、あるいはその間に現場のチームがどのような即興の対応をしてきたかを説明できる者はほとんどいない。私は今でも、あの7月にあった40秒間のやり取りと、文字起こしデータを読んで初めて、そのような事態が起きていることに気づいたという事実に立ち返り続けている。

(forbes.com 原文)

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