北米

2026.10.03 14:16

米国、老朽化した航空インフラ改修にさらに300億ドル(約4兆7300億円)が必要

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米国は老朽化した航空インフラを近代化するため、さらに300億ドル(約4兆7300億円)を必要としている。ショーン・ダフィー運輸長官が明らかにした。追加資金を求める動きは、通信障害によって北東部一帯で数千便に影響が出てからわずか数日後のことだ。

ダフィーは、政権が航空管制技術と空港改善のための追加資金を議会に求めると述べた。議会はすでに、連邦航空局(FAA)の航空管制システム再構築に向けて125億ドル(約1兆9700億円)を拠出している。

ロイター通信が報じたところによると、ダフィーは火曜日、「我々は議会に300億ドル(約4兆7300億円)を要請するつもりだ」と語った。

今回の新たな要請には、空港改善のための100億ドル(約1兆5800億円)が含まれる。FAAは現在、数十年前から使われている通信、レーダー、航空管制機器の更新を進めている。

通信障害で数千便に影響

月曜日、通信障害により北東部一帯で数千便に影響が出た。主要回線の障害に加え、バックアップ用光ファイバーが切断されたことで、FAAの通信が途絶し、主要空港で制限措置を余儀なくされた。

ロイター通信の報道によれば、影響を受けた空港にはニューヨークのJFK、ラガーディア、ニューアーク、フィラデルフィア、ボストンなどが含まれる。

この事案により、FAAの近代化プログラムが解消を目指すシステム上の弱点が浮き彫りになった。

ダフィーは、新しいネットワークでは冗長性が強化されるため、単一の通信障害や、仮に2つの接続が失われた場合でも、同様の規模の混乱は生じなくなると述べた。

FAAは、現在も残っている老朽化した銅線の通信インフラを2027年9月までに完全に廃止することを目指している。

125億ドル(約1兆9700億円)は始まりにすぎない

議会は昨年、政権の新しい航空管制システム向けに125億ドル(約1兆9700億円)を承認した。

この資金は、全米で実施されている1万件を超える近代化プロジェクトに充てられる。

FAAは、銅線通信回線を光ファイバー、無線、衛星接続へと置き換えている。また、老朽化したレーダーや無線機の更新、デジタル音声スイッチや電子運航票(フライトストリップ)の導入、空港面監視システムのアップグレードも進めている。

FAAが管理するインフラは全米4600カ所以上に及び、プロジェクトは膨大だが、着実に前進している。

FAAのブライアン・ベッドフォード局長は今月、議員らに対し、9月1日時点で銅線ベースの通信ネットワークの64%以上を置き換えたと語った。

FAAはまた、403カ所以上の無線施設を転換し、101の空港面認識システムを設置し、21の航空管制塔で紙の運航票から電子ディスプレイへの移行を完了した。

FAAの近代化トラッカーを利用すれば、州ごとやプロジェクトごとの進捗状況を一般の人々も追跡できる。

しかし、当初の125億ドル(約1兆9700億円)の資金だけでは、全面的な刷新をすべてカバーすることはできない。FAAの2027会計年度予算では、この資金について、新しい航空管制システムの構築を「迅速に開始する」ためのものと説明されている。

上昇する近代化コスト

近代化プログラムの一部は、以前よりもコストが高くなっている。

ベッドフォードが議員らに語ったところによると、FAAの通信ネットワーク近代化にかかる推定コストは、47億5000万ドル(約7490億円)から59億1000万ドル(約9320億円)に増加した。ロイター通信の報道によると、関税の影響により、主にレーダー機器のコスト上昇を通じて、近代化の取り組み全体でさらに1億ドル(約158億円)のコストが上乗せされる可能性があるという。

FAAはまた、議会がすでに提供している資金に加え、2027会計年度予算で「施設および設備」勘定として40億ドル(約6310億円)を要求した。

ダフィーが今回提案した300億ドル(約4兆7300億円)は、その投資規模を大幅に拡大するものだ。しかし、この資金は航空管制インフラ以外にも充てられる。追加資金のうち100億ドル(約1兆5800億円)は、空港の改善に振り向けられる予定だ。なお、この資金調達には今後、議会の承認が必要となる。

FAAは航空管制へのAI導入も推進

近代化を支援するため、FAAはトラフィックの管理方法も変更しつつある。

FAAは6月、予測分析と人工知能(AI)を航空管制に導入するため、エア・スペース・インテリジェンス(Air Space Intelligence)との間で、12年間で8億7500万ドル(約1380億円)の契約を結んだ。

この技術は現在、FAAの「空域・航空路・飛行経路の戦略的管理」システム(SMART)を通じて導入が進められている。

SMARTは、航空会社の運航スケジュール、航空機の飛行経路、気象情報、空港の受け入れ能力、管制官の配置状況など、約200のデータストリームを統合する。

その目的は、混雑が発生する前にそれを特定し、航空会社と航空管制官の双方が全米の領空システム全体の状況を共通のイメージとして把握できるようにすることだ。

米国は、管制官、レーダー、航空機をつなぐ物理的なネットワークである「ハードウェア」と、システム内のトラフィックの動きを決定する「ソフトウェア」という、航空管制の2つの要素を同時に再構築している。

月曜日の通信障害は、ソフトウェアを機能させるために、ハードウェアの修復がいかに緊急の課題であるかを浮き彫りにした。

(Forbes.com 原文)

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