口コミによる推奨やプライベートなオンラインコミュニティは、消費者の購買意思決定に与える影響力をますます強めており、購入者にとっては従来のインフルエンサーによる投稿よりも重みを持つことが多い。しかし、Discordサーバー、Slackグループ、グループチャット内で本物の支持を獲得するには、思慮深いアプローチが必要であり、一歩間違えれば信頼はたちまち損なわれてしまう。
純粋な気持ちで参加し、真の価値を提供し、コミュニティ内での会話をあからさまな売り込みに変えない方法を学ぶことが、大きな違いを生む。ここでは、変化し続けるこの環境でマーケターが舵取りを誤らないよう、Forbes Agency Council(フォーブス・エージェンシー・カウンシル)のメンバーが、自らの手痛い経験から学んだP2P(ピア・ツー・ピア)マーケティングの教訓と、成功例・失敗例を交えた実例を紹介する。
1. 人に転送したくなるような役立つものを提供する
手痛い経験から学んだのは、最高のP2P効果が得られるのは、自分たちを褒め称える理由を人々に提供したときではなく、誰かに転送したくなるような役立つものを提供したときだということだ。製品のローンチ時に洗練された紹介用の画像を制作したが、誰にもシェアされなかった。その後、顧客がグループチャットにそのまま投稿できるシンプルなチェックリストに差し替えた。この小さな変更が、迅速な意思決定を促し、本物の「社会的証明(ソーシャルプルーフ)」を生み出す結果となった。 - バイバフ・カッカー(Vaibhav Kakkar), Digital Web Solutions
2. 見込み客の「一人の人間」としての全体像を理解する
ベストプラクティスの一つは、見込み客の「一人の人間」としての全体像を理解することだ。例えば、あるクライアントは主に役職に基づいてピア共有用コンテンツを作成したが、それはオーディエンスの真の課題を反映しておらず、ほとんど関心を引かなかった。そこで私たちは、彼らが仕事上で抱えるプレッシャー、優先事項、そして個人的な関心事について、確度の高いB2B2Cインサイトを提供した。その結果、より関連性の高いコンテンツを作成できるようになり、信頼を獲得して、エンゲージメントの強化につながった。 - ポーラ・キオッキ(Paula Chiocchi), Outward Media, Inc.
3. スポンサー投稿よりもオーガニックな会話を優先する
私たちがターゲットとするニッチ分野において、非公開のFacebookグループは優れた収益源であり機会創出の場であることが分かった。時折、グループページに特定のコンテンツを掲載するために費用を支払うことがあったが、自然に生まれるオーガニックな会話こそが最強である理由をすぐに思い知らされた。非公開のFacebookグループにスポンサー投稿を行うたびに、リアクションはほぼゼロだった。 - マイケル・タスナー(Michael Tasner), No Joke Marketing
4. 話題にする価値のある体験を創出する
口コミを無理に起こすことはできない。かつて私たちは、満足してくれた顧客に紹介を依頼することばかりに注力していたが、最も強力な紹介は、本当に役立つものや話題にする価値のあるものを提供したときに自然と発生するものだった。人々が自らシェアしたくなるような体験を創出し、それを簡単に共有できるようにすることだ。 - デビッド・イスピリャン(David Ispiryan), Ranxy
5. 紹介を求める前に、まず信頼を勝ち取る
大きな間違いは、明らかにインセンティブを目的とした投稿を非公開コミュニティに忍び込ませることだ。人々はサクラを即座に嗅ぎ分け、一度見破られると、そのブランドの発信するあらゆる情報の価値を落として見てしまう。教訓としては、見返りを求めずに、まずは純粋な存在感を確立すること。そして、自然な形で紹介が生まれるのを待つことだ。見返りなしに真の価値を提供できないブランドは、そのスペースに身を置くべきではない。 - リー・ソールズベリー(Lee Salisbury), UnitOneNine
6. 紹介をカスタマーエクスペリエンスの一部にする
あるインテリアデザインのクライアントのために、私たちは紹介を単なるマーケティング上の依頼として扱うのをやめ、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)の一部に組み込んだ。住宅の完成後、クリーニングサービスと無料の装飾品を提供し、さらに紹介された人が実際に成約に至った場合のみ、クライアントに特典を提供した。教訓は、良いことを言ってもらうためにお金を払うのではない、ということだ。語りたくなるような体験を提供し、その共有に価値を持たせることである。 - ヴィン・ソンパル(Vin Sonpal), CS Web Solutions
7. 顧客が共有したくなる実用的なリソースを作成する
私が学んだ教訓の一つは、P2Pマーケティングは意図的に作り出せるものではないということだ。業界のコミュニティ内で会話を活発化させたいと考えるクライアントと協力した際、宣伝目的の投稿はほとんど関心を引かなかった。しかし、顧客が本当に勧めたいと思うような実用的なツール、教育的コンテンツ、リソースの作成へと舵を切ったことで、一気に勢いがついた。人々が本物の価値を見出せば、どんなブランドキャンペーンよりも効果的に仲間同士で共有してくれる。 - エリース・フリン・マイヤー(Elyse Flynn Meyer), Prism Global Marketing Solutions
8. 売り込むな、コミュニティ内で役立つ存在になれ
非公開コミュニティで売り込みをかけてはいけない。私は数年前、SEOに関するSlackグループに体裁の整った宣伝投稿を投げ入れたことで、このことを学んだ。結果は、モデレーターからの警告が1回、返信はゼロ、そしてプライドが傷ついただけだった。そこで私は売り込みをやめ、数カ月間、そのグループ内でリンク構築に関する質問にただ答えることに徹した。その後、一度も売り込みをしたことのない相手から、ダイレクトメッセージ(DM)を通じてクライアント契約の獲得に至った。そうした場では、役立つ存在になること自体がマーケティングなのだ。 - ボリス・ジンガロフ(Boris Dzhingarov), ESBO Ltd
9. 「結論ファースト」のリソースを共有しやすいページに掲載する
公開用の投稿だけでなく、個別で共有されることも想定して構築することだ。ある金融サービス企業のクライアントの調査では、裕福な見込み客の大部分がアドバイザーを選ぶ際に友人や家族を頼っていることが判明した。私たちはこのインサイトをもとに、中立的で「結論ファースト」なリソースを作成し、共有しやすい専用ページを用意した。口コミは、信頼できる人々に対して、人に渡したくなるような信頼性の高い材料を提供したときに最も効果を発揮する。 - アーロン・ドミノ(Aaron Domino), Onimod Global
10. コミュニティへの不自然な「サクラ投稿」を避け、信頼を守る
クライアントに関する会話をWhatsAppコミュニティに自然な形で忍び込ませようと試みたが、わずか1日で発覚した。メンバー同士が情報を照らし合わせて公の場で批判したため、何もしなかった場合よりも大きな打撃を受けた。教訓はこうだ。ユーザー同士のスペースは、ブランドと一会員との信頼関係ではなく、メンバー同士の信頼関係によって成り立っている。 - テッサール・ナピトゥプル(Tessar Napitupulu), Arfadia
11. 勧める価値のあるものを構築する
時代は一巡している。インフルエンサーの投稿は依然として強い影響力を持つが、本当の重みは再び非公開の推奨へとシフトしている。それらの会話は、偽りのない視点から生まれるため、何百年もの間効果を発揮してきた。ベストプラクティスは、口コミを人工的に作り出そうとしないことだ。勧める価値のあるものを構築し、あとは身を引くこと。人々が自発的にシェアしてくれれば、それはどんな有料の投稿よりも強く響く。 - ゴラン・パウン(Goran Paun), ArtVersion
12. リーチを追うのではなく、帰属意識を育む
私が学んだ最大の教訓は、オーディエンスを築くのではなく、帰属意識を築けということだ。初期の頃、私たちはコンテンツのリーチばかりを重視し、深いつながりを生むことにおざなりになっていた。会話、メンバーの成功、ユーザー同士のサポートを通じて非公開コミュニティを育むことに注力したところ、紹介は自然と増えていった。人々はプロモーションではなく、人間を信頼する。コミュニティこそが最も強力なマーケティングチャネルになるはずだ。 - サン・イー(Sun Yi), Night Owls
13. 支持者に紹介のための明確なステップを示す
誰もがコミュニティにサクラを仕込むことに警告を発する。しかし、より難しい問題は、熱心な支持者があなたのことをうまく説明できないことだ。私の会社は紹介で成り立っているが、彼らがそのまま口にできる一文と、紹介された相手が進むべき明確なステップを提供することを学んだ。案内先が不明瞭であれば、紹介は生まれない。口コミは不信感からよりも、曖昧さによって消滅することの方が多いのだ。 - クリスティーン・ウェッツラー(Christine Wetzler), Pietryla PR & Marketing
14. 非公開コミュニティを配信チャネルとして扱わない
手痛い教訓は、非公開コミュニティを単なる配信チャネルとして扱っては絶対にならないということだ。プロモーション的な宣伝文句は無視される。信頼できる数人のメンバーを初期のフィードバックループに招き、製品やオファーに彼らの意見を反映させ、自然に共有したくなる理由を提供することだ。プロモーションの前に、まずは参加してもらうことが不可欠である。 - ナターシャ・グレイ(Natacha Grey), SWOON MEDIA
15. 真のつながりを通じて強力な支持者を得る
まずは静かに様子を見ることだ。フォーラムはマーケティングチャネルではない。それらは共通の関心事と率直なフィードバックに基づいて構築された、異なるルールの存在するコミュニティだ。周囲から一目置かれているメンバーを見つけよう。宣伝はせず、質問をし、アドバイスを求め、批判を歓迎することだ。上級者向けのヒントとしては、彼らのアドバイスに実際に従うこと。人は自分が構築を支援したものに味方したくなる。覚えておいてほしい、強力な支持者(チャンピオン)はここでは勧誘するものではない。真のつながりと当事者意識を通じて獲得するものなのだ。 - モニカ・アルバレス=ミッチェル(Monica Alvarez-Mitchell), Pulse Creative, LLC



