欧州

2026.10.03 12:36

欧州のオンラインギャンブル収益、72%が無免許事業者へ

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欧州の認可を受けたギャンブル企業は、規則を守るためのコストを負担している。しかし、その資金はますます、そうした規則に従わない企業へ流れている。火曜日に公表された報告書は、欧州連合(EU)27カ国全体の2025年のオンラインギャンブル収益を1280億ユーロとし、そのうち916億ユーロ、つまり72%が、顧客の居住国で免許を持たない事業者によって得られたとしている。

報告書「Online Gambling 2024-2025: EU 27 Europe」は、規制当局にデータを販売する監視会社ゲーミング・コンプライアンス・インターナショナル(GCI)が、スリーカードポーカーの考案者デレク・ウェブ氏が資金提供する「Campaign for Fairer Gambling」向けに作成した。無規制の収益は2023年に526億ユーロ、2024年に806億ユーロだった。成長率は2024年の53%から2025年には13.6%へ鈍化したものの、8.6%増の365億ユーロとなった認可部門をなお上回った。欧州における粗ギャンブル収益への平均税率24%を基にすると、各国政府は220億ユーロを取り逃したと報告書は指摘している。

ただし、これらの数字には注意が必要だ。GCIが示した米国の違法オンラインギャンブル規模974億ドル(約15兆4000億円)は、米国ゲーミング協会(AGA)の推計値の約4分の1の規模と並んでいる。GCIは、ミラー(複製)ドメインを含め、実際に各国の居住者から資金を受け取っているすべてのサイトとアプリを集計していると説明する。

賭けの前に

今回の報告書が新たに重点を置くのは、賭けが行われる前に何が起きているかだ。GCIは、2025年に1億2100万人の欧州市民がオンラインギャンブル関連コンテンツを目にし、そのうち8800万人が無免許事業者のコンテンツを見たと推計している。さらに進んでクリック、登録、フォローした人々については、接触したギャンブル関連コンテンツの91%が無規制側を宣伝するものだった。

「賭けが行われる頃には、すでに顧客獲得競争に敗れている可能性がある」と、GCIのイスマイル・バリ社長は声明で述べた。「無規制のギャンブルは、消費者がギャンブルサイトに到達する前に、検索、SNS、アフィリエイト、広告、ストリーミング、アプリを通じて、オーディエンスの関心を獲得してしまっているのだ」

GCIは、今夏の欧州におけるワールドカップの海賊版ストリーミングの視聴回数を178億回と算出しており、その95%に無免許のギャンブル広告が掲載されていた。これは同社が8月に発表した世界全体での数値の欧州分に相当する。同社はまた、EU域内に拠点を置く仲介業者が全体の半数以上を占め、グーグルやメタの自動審査をすり抜けるようにカモフラージュされた「クローキング広告」を、すべての加盟国向けに販売していることも突き止めた。

Kickが入り口に

最も鋭い指摘がなされているのは、2022年10月にTwitchが無免許カジノによるスロット、ルーレット、ダイス(サイコロ)ゲームの配信を禁止してから数カ月以内に開設されたストリーミングプラットフォーム「Kick」に関するセクションだ。KickはStakeの創業者であるエド・クレイヴン氏とビジャン・テヘラニ氏が支援しており、Stakeの切り抜き動画の配信拠点となった。GCIがSimilarWebのトラフィックデータを利用して分析したところ、ワールドカップのピーク期間中にKickから流出した全トラフィックの19%がStakeに向かっていた。報告書によると、KickはEU加盟6カ国でスロットカテゴリーへのアクセスをブロックしているが、実際に機能しているのはギリシャ1カ国だけだという。

フロリダ州司法長官は8月19日、懸賞型(スイープステークス)カジノの運営を巡り、Stake.us、Easygo、Kick Streaming、クレイヴン氏、テヘラニ氏を提訴した。訴状では、KickがStakeの継続的な広告として機能していると主張されている。訴訟は係争中であり、Stake.usは欧州の利用者がアクセスする暗号資産カジノではない。

「どこか」の免許

報告書は、EU加盟国であるマルタを、アンジュアン、キュラソー、マン島と並ぶ「越境型」の免許管轄地として挙げ、その差を数字で示している。EU27カ国全体で複数プロダクトに対応する免許の平均初期費用は約110万ユーロで、粗収益への平均税率は24%だ。一方、4つの越境型免許発行地域では、それぞれ3万3000ユーロと2.3%である。

「それは要するに、ごくわずかな税金を支払い、店先に『どこかで規制されている』と言えるような印を得るためのものにすぎない」と、バリ氏はポッドキャスト「On The Margin」で語った。「どこかのオフショアの島で得た免許をもって、スウェーデン、ドイツ、英国、米国に行き、そこの消費者から資金を受け取る権利があると言うのは、同じことではない」

ドイツやオーストリアのプレイヤーは、自国で免許を持たないマルタ免許サイトから損失の返還を勝ち取ってきた。これを受けてマルタは2023年、自国の裁判所がこうした判決の執行を拒否できる法律を成立させた。マルタの規制当局は、この法律は既存のEU規則を反映したものだとしている。欧州委員会は2025年6月に侵害手続きを開始し、4月にはEU最高裁にあたる欧州司法裁判所の法務官が、この条項は判決の承認に関するEUの規則と相いれないとの見解を示した。

「『どこか』の免許は、どこでも事業を行ってよいという許可ではない」と、ウェブ氏は声明で述べた。「事業者が欧州のある管轄区域の消費者から資金を受け取るなら、その管轄区域の法律と保護措置を順守すべきだ」

事業者の計算

この報告書が公表される前の5月、事業者側の立場から発言していたのがナイジェル・エクルズ氏だった。彼は当時、暗号資産カジノBetHogを運営していたが、同サービスはAIディーラーの構築に専念するため7月に閉鎖された。BetHogは米国をジオブロックし、「国ではなく暗号資産ユーザーに向けて」マーケティングしていたと、FanDuel共同創業者のエクルズ氏はポッドキャスト「On The Margin」で述べた。「我々は暗号資産を持つ人々に向かっている。特定の国にいる人であることより、暗号資産を持っている人であることの方がはるかに重要だからだ」

理由はコストだった。ギャンブルにおけるカード決済では入金と出金が繰り返されるため、「3%ではなく、実際には15%近くを支払うことになる」とエクルズ氏は述べた。BetHogの入金の80〜90%はステーブルコインだった。「暗号資産はこの業界にとって、まさに天の恵みのような存在だった。単一の決済インフラで100カ国近くにわたり事業を運営できる」。なお、彼はGCIの調査結果については質問されていない。

ウェブが求めるもの

ウェブ氏は、税率の引き下げと規制緩和という業界の通常の処方箋を退ける。「答えは、認可事業者に対する規制の弱体化や税制上の譲歩ではない」と彼は述べた。「欧州には執行上の問題がある」。7月のインタビューで、彼は英国を例に挙げた。英国ではオンラインギャンブルに占める違法の割合は10%未満だと彼はみている。「どの事業者もシェアを失うことを恐れているが、もしマーケティングが全員一律に制限されれば、全員にとって状況は良くなるはずだ。一見すると筋が通らないように見えるが、これがこの業界の力学なのだ」とウェブ氏はインタビューで語った。

2つの市場が、まさにそれを試そうとしている。フィンランドは2027年7月から民間事業者にオンラインカジノゲームと賭けを販売することを認め、Veikkausの独占を終わらせる。オーストリアは、2027年10月までに最大13件のカジノ免許を付与する法案をブリュッセルに送付しており、オーストリア人に違法にサービスを提供している事業者は、資格を得るために1月1日までに停止しなければならない。GCIの集計では、彼らが相手にするのは6238の事業者だ。「6000の無規制事業者は、6000の別個の問題ではない」とバリ氏は述べた。「彼らは広告を出し、消費者を見つけ、商品を配信し、資金を移動し、オンラインであり続けるために、同じエコシステムに依存している。それこそが彼らの弱点でもある」

(forbes.com 原文)

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