重要なお知らせ 「Forbes」の名称を使用した営業活動にご注意ください

マネー

2026.10.07 08:00

5カ月で8人が資産1580億円超え、欧州AI界でビリオネアが急増中

stock.adobe.com

stock.adobe.com

欧州のAIスタートアップで、創業者の資産が急速に膨らんでいる。2026年5月から9月までの5カ月間に大型の資金調達や買収が相次ぎ、新たに8人の創業者が資産10億ドル(約1580億円)以上の「ビリオネア」となった。さらに6人の資産が膨らみ、音声AI企業ElevenLabs(イレブンラボ)を創業した2人を加えると、資産を大きく伸ばした創業者は計16人に上る。資金調達だけでなく、スペースXによるCursorの買収や、エヌビディアによるハギングフェイスの買収合意も、創業者の資産を押し上げた。

資産額はForbesの推計だ。未上場企業の創業者の場合、資金調達や買収で付いた企業の評価額に、持ち株比率を掛けて算出するのが一般的だ。株式を売却して現金化していなくても、評価額が上がれば資産額は膨らむ。米国の有力新興企業では、上場前に従業員の保有株を投資家が買い取る取引も広く行われており、その買い取り価格が企業全体の評価額を測る目安になる。

顔ぶれは、音声AI、業務自動化、アプリ開発・コーディング支援、AI半導体、データセンター、大規模言語モデル、AIモデルの共有基盤と幅広く、20代の創業者も名を連ねる。筆者は、一連の巨額案件が欧州をAI競争の舞台へ復帰させる後押しになったとみている。

音声AI企業ElevenLabsの評価額が倍増、創業者2人は資産各約5210億円に

AI音声のスタートアップ、ElevenLabsは米国時間9月30日、従業員が保有する自社株を投資家に売却する3億ドル(約474億円)規模の取引を終えたと発表した。この取引で、同社の評価額は2倍の220億ドル(約3兆4760億円)になった。ポーランド出身の共同創業者マティ・スタニシェフスキとピョートル・ドンブコフスキは、それぞれ同社株の推定15%を保有している。2人の資産は、2026年前半の16億ドル(約2530億円)から、それぞれ33億ドル(約5210億円)に増えた。

高校時代からの友人であるスタニシェフスキとドンブコフスキは、ポーランドで、出来の悪い吹き替えの外国映画を見て育った。1人のナレーターが、登場人物全員の台詞を単調な声で読み上げる吹き替えである。2人が2022年に、それぞれパランティアとグーグルの職を辞し、貯金を出し合ってElevenLabsを立ち上げたのは、こうした映画も一因だった。ElevenLabsがAIで生成する音声は、そうした味気ない吹き替えに代わる、よりよい選択肢になる。ニューヨークとロンドンを拠点とする同社によると、現在は、スウェーデンの後払い決済大手Klarna(クラーナ)や英国のフィンテック企業Revolut(レボリュート)といった企業顧客が、売上高の55%を占めている。Forbesの報道によると、2025年12月の時点で、同社の直近12カ月の売上高は2億ドル(約316億円)近くに達していた。2026年は売上高が倍増する勢いとみられ、同社のAIエージェントがこなす会話は、いまや週1500万件にのぼる。

次ページ > AIの大型資金調達が欧州で相次ぎ、5カ月で新たなビリオネア8人

翻訳=酒匂寛

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事