米メディア大手パラマウント・スカイダンスとワーナー・ブラザース・ディスカバリーは正式な合併後、統合会社に「スカイダンス(Skydance)」の名称を使う。パラマウント・スカイダンス会長兼最高経営責任者(CEO)のデビッド・エリソンが米国時間2026年10月2日に明らかにした。1100億ドル(約17兆3800億円)規模の合併は10月6日に完了する予定で、新会社の経営体制や事業運営の方針も具体化し始めている。
統合会社はスカイダンスに、既存2ブランドも前面に残す
エリソンは2日、SNSで新名称を発表した。名称を決める際には、統合会社として独自のブランドを築けることと、パラマウントとワーナー・ブラザースの既存ブランドを引き続き前面に出せることの両立を重視したという。
パラマウントによると、「スカイダンス」という名称は、パイロットでもあるエリソンの「航空への愛」に由来する。エリソンは2006年に自身初の制作会社をスカイダンスと名づけた。パラマウントの経営権を握った際には、社名をパラマウント・スカイダンスに変更した。
州との和解承認で合併に道、反トラスト法上の懸念は残る
連邦判事は9月30日、合併に反対していた複数州とパラマウントが結んだ和解を承認し、合併完了に道を開いた。和解内容については、パラマウント側に有利すぎるとの批判が出ていた。統合会社が娯楽業界で過大な支配力を持つとの反トラスト法上の懸念にも、十分対応していないと批判された。
エリソンは和解承認後、こうした懸念を和らげようとした。統合後のスカイダンスは「パラマウントとワーナー・ブラザースを特別な存在にしているものを尊重する」と述べた。両スタジオが成長し、より多くの優れた作品を制作できるようにする考えを示した。さらに、そうした作品を世界のより幅広い視聴者へ届けるとしている。
共同CEOを指名、CNNと動画配信の運営体制はなお未確定
エリソンは、玩具大手マテルのCEOを務めていたイノン・クレイズを統合会社の共同CEOに指名した。報道によると、エリソンはCNNをCBSニュース編集主幹バリ・ワイスの監督下には置かずに運営する意向だという。
統合会社の全容と運営方法はまだ固まっていない。統合後の動画配信事業を率いる有力候補とされるHBOトップのケイシー・ブロイズは10月1日、ブルームバーグのイベントで、新会社でどの役職に就くかの確認を避けた。
ブロイズは、合併がまだ完了していないことを理由に挙げ、経営陣の構成はエリソンとチームが自ら発表したいはずだと説明した。
HBO MaxとParamount+は統合よりセット提供の可能性
ブロイズは、HBO MaxとParamount+を1つの動画配信サービスに統合するより、別々に運営しながらセットで消費者に提供する可能性が高いとの見方を示した。
ニューヨーク・タイムズは、エリソンがCNNトップのマーク・トンプソンに続投を求めたと報じた。現時点でワイスがCNNを監督する可能性は低いとされるが、将来その役割が変わる可能性はあるという。
合併完了まで1日約11億円、遅延でパラマウントに追加負担
パラマウントは合併が完了するまで、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの株主に1日当たり700万ドル(約11億600万円)を追加で支払う。10月1日から、合併の遅れに対する金銭的なペナルティーとなる日額加算金が発生し始めたためだ。



